この記事の結論
露地と水田では、ナノバブルの差は見えにくくなります。降雨や日照で水の条件が変わるため、水を変えた差が埋もれやすく、水田の学会発表でも、栄養成長期の草丈と分げつ数は増えたものの、収量には差が出ませんでした。
差を確かめやすいのは、かん水をコントロールできるハウス、水耕、点滴の入った果樹園、育苗の場です。露地や水田が中心の経営なら、まず育苗の場から確かめるのが近道です。
露地や水田でナノバブル(ウルトラファインバブル)を使うとどうなるのかを調べている方へ。結果が出やすい圃場の順番と、水田で報告されている内容をまとめました。
結果が出やすい順に並べる
共通しているのは、水の量とタイミングを決められるかどうかです。決められる環境ほど、変えた結果が数字として残ります。
逆に、天候で水が決まる環境では、比べた差が変動に埋もれます。効果がないのではなく、差が見えにくいということです。
| 環境 | 出方 | 理由 |
|---|---|---|
| ハウス栽培 | いちばん出やすい | かん水を常時コントロールでき、結果が数字で見やすい |
| 水耕・養液栽培 | 出やすい | 水そのものが栽培の媒体になっている |
| 果樹園(点滴) | 見やすい | 点滴のかん水システムで量を決められる |
| 育苗農場 | 比べやすい | 専用の給水設備があれば苗全体に均一に届く |
| 地下水を水源とするハウス | 差が大きく出やすい | 溶存酸素が少ない傾向の水を使っている |
| 露地栽培・天水田 | 比較がしにくい | 降雨・気温・日照の影響が大きい |
出典:正規特約店 株式会社ライヴスの営業資料(2026-09-27 確認)
分かれ目は、水を決められるかどうか
ハウスと水耕では、1日に与える水の量、回数、時刻を人が決めています。だから水だけを変えた比較が成り立ちます。
露地では、雨が降れば与えた水の何倍もの水が入ります。水田のかけ流しでは、水そのものが入れ替わり続けます。変えた水が、どれだけ根のまわりに留まっているのかが分かりません。
この違いは、装置の性能ではなく圃場の性質です。だから同じ製品でも、圃場によって出方が変わります。
そこで、圃場の性質を先に分けます。水を決められる場所と、決められない場所。この2つで、確かめ方も、期待できる範囲も変わります。
露地で検証が難しい理由
1つめは降雨です。試験区と対照区の両方に同じだけ降るため、与えた水の差が雨で薄まります。2つめは気温と日照で、年によって大きく変わります。
3つめは土の違いです。同じ畑でも、場所によって水の入り方が違います。区画を隣に置いても、条件が同じとは言えません。
だから露地の結果は、1年の比較では判断できません。複数年、複数の区画で繰り返す設計が必要になり、そのぶん時間と手間がかかります。
資材の試験で、今年はよかったという話が翌年に続かないことがあります。この難しさが原因になっている場合があります。
くわしいご案内同じ面積と同じ人数で、収量を上げる|かん水の水を変えた圃場で起きたこと
水田で報告されていること
大学と農業法人による水田のかん水の試験が、学会の要旨として報告されています。栄養成長期には、草丈と分げつ数の増加、根が深く伸びる傾向、土壌からのメタン放出が抑えられる可能性が示されました。
生殖成長期には、伸びが弱まるか抑制の側に振れ、収量には差が出ませんでした。要旨は予報の段階の報告で、査読を経たものではありません。
水田については、生育の途中の変化は報告されているものの、収量への効果は確かめられていない段階です。
自分の圃場を、どこに当てるか
ハウスと水耕をお持ちなら、そこから確かめます。1棟だけに入れて1作比べれば、自分の作物での数字が出ます。
露地と水田が中心の経営なら、まず育苗の場を見てください。面積が小さく、専用の給水設備があり、苗全体に均一に届きます。定植時の揃いという形で結果が見えます。
果樹で点滴が入っているなら、そこも数字が見やすい場所です。区画ごとにラインが分かれているので、比べる設計が組めます。
経営のなかで、どの部門から試すかという順番の話でもあります。数字が出やすい場所で先に確かめると、次の判断が早くなります。
露地でやるなら、どう設計するか
収量を指標にするのは後回しにして、まず測れるものから始めます。かん水のラインと出口の詰まり方、洗浄までの日数、そして苗の揃いです。ここは天候の影響を受けにくい項目です。
収量を見るなら、区画を交互に配置して、同じ作業者が同じ日に収穫します。年ごとの差を見るために、少なくとも2作は続けます。
設備の扱いは、露地でも同じです。UFB DUAL® は給水側に付け、電源も薬剤も使いません。減水率は約5%で、いまのかん水の設計を組み替える必要はありません。
よくあるご質問
露地では効果がないということですか
いいえ。効果がないという報告ではなく、比べることが難しいという意味です。降雨・気温・日照の影響が大きいため、水だけを変えた差が変動に埋もれます。露地では、かん水のラインの詰まり方や苗の揃いなど、測れる項目から見るのが実際的です。
水田で収量は増えますか
学会で報告された水田の試験では、収量に差は出ていません。栄養成長期の草丈と分げつ数の増加、根の深まり、メタン放出が抑えられる可能性が報告されていますが、予報段階の報告として読んでください。
どこから試すのがよいですか
ハウスか水耕があれば、そこからです。無い場合は育苗の場が向いています。面積が小さく、給水設備があり、苗全体に均一に届くため、定植時の揃いとして結果が見えます。
果樹園でも使えますか
使えます。点滴のかん水システムが入っていれば、水の量を決められるので比べやすくなります。区画ごとにラインが分かれている場合は、その区間だけに入れる設置も選べます。
試すのにどれくらいの期間が必要ですか
ハウスと水耕は1作です。露地は年ごとの差があるため、少なくとも2作は続けてください。効果を確かめるためのレンタル品があるので、買う前に記録を取れます。
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