この記事の結論
上がった肥料代を取り戻す先は、余っている肥料を減らす、安い肥料に替える、根が吸える割合を上げる、の3つです。3つめについては、ウルトラファインバブルを含む水で液肥を20%減らした試験環境でも、通常以上の生育が報告されています。
液肥代が年300,000円なら20%で年60,000円です。減らすのは10%、次の作で20%と段階を分け、区を分けて1作ずつ比べて確かめます。
肥料の値上がりが続き、減らしたいけれど出来が落ちるのが怖い、という生産者の方に向けて、減らす順番と確かめ方をまとめました。
肥料代が経営にどれだけ響いているか
まず、去年の肥料費を売上で割ってください。その割合が、肥料の値上がりが手取りを削っている大きさです。液肥で育てるハウスや水耕では、露地より割合が大きくなることがあります。
次に、同じ量を買ったとして何円上がったかを出します。量を減らす話と単価の話を分けておかないと、減らした効果が見えなくなります。
割合が出たら、作物ごとにも分けてみてください。肥料をたくさん使う作物と少ない作物が混ざっていると、全体の割合では手を付ける先が見えません。
減らすと、ふつうは何が起きるか
ご存じのとおり、足りていた肥料を減らせば、葉色が薄くなり、株が小さくなります。土耕なら、土壌診断で余っている成分を見つけ、その分から減らすのが基本です。余っている分を減らしても出来は変わらず、費用だけが下がります。
水耕と養液栽培では、濃度を下げると吸える量がそのまま減ります。根が吸う力が同じままで濃度だけを下げると、生育が落ちやすくなります。
土耕と養液の違いは、余裕の大きさです。土には前の作の残りがあり、少し減らしても土が補います。養液はその日に与えた分がすべてなので、減らした影響が早く出ます。養液で試すときは、減らす幅を小さく刻むほうが安全です。
液肥を20%減らした試験で起きたこと
この試験で確かめられているのは、ウルトラファインバブルを含む水を使い、液肥を20%減らした条件でも、通常以上に育ったという結果です。肥料の値上がりに対して、量を減らしながら生育を保つ道があることを示しています。
自分の圃場で同じことが起きるかは、作物と培地と水で変わります。だから結果は、自分の区で比べて確かめます。
くわしいご案内同じ面積と同じ人数で、収量を上げる|かん水の水を変えた圃場で起きたこと
根が吸う力が変わるということ
肥料がどれだけ株の重さになるかは、与えた量と、根がどれだけ取り込めるかの両方で変わります。根が広く張り、呼吸が十分にできれば、同じ濃度からでも吸える量は増えます。
水耕のリーフレタス7品種を比べた試験では、ウルトラファインバブルを含む水の区で根の量と太さにはっきり差が出て、すべての品種で1株の重さが上回りました。バタビアは30gと70gです。液肥を減らしても生育が保てたことと、根の量が増えたことは、どちらも根が養分を取り込む力に関わる結果です。
土耕でも考え方は同じで、根が届く範囲が広がれば、土に残っている肥料を拾える量が増えます。減らした分を根の広がりで補う、という考え方です。
減らす順番と、確かめ方
一度に大きく減らすと、落ちたときにどこまで戻せばよいか分からなくなります。段階で減らし、落ちなかったところを次の作の基準にします。
記録は、比べる2区を同じ用紙の左右に並べて書くと、差がひと目で分かります。1作目で落ちなかった段階を、2作目の出発点にしてください。
- 土耕は、まず土壌診断で余っている成分を確かめる
- 区を2つに分け、片方だけ条件を変える
- 減らすのは10%、次の作で20%と段階で
- 葉色、株重量、収穫日を記録する
- 養液なら、排液の電気伝導率も一緒に測る
肥料代と売上を一緒に見る計算
液肥代が年300,000円の経営なら、20%減らせると年60,000円です。これだけを見ると小さく見えますが、根が張って1株の重さが上がれば、売上も動きます。
同じハウスを2つに分けて水だけを変えた試験では、ニラの株重量が390gと265gでした。10a・年11,000株・単価950円/kgなら、売上の差は年間 約130万円です。肥料の節約と売上の伸びを1枚の表に並べると、水を変える意味がはっきりします。
かん水設備でできることと、費用の見方
UFB DUAL® を付けるのは、液肥の混入機や養液の調合設備の手前で、原水が流れる給水管です。混入機と調合の手順はいまのまま使えます。給水管に挟んだノズルが、水道の圧力で1マイクロメートル未満の泡をつくり、電気も薬剤も使いません。
費用は給水管の太さで決まり、20Aなら製品代350,000円、工事費60,000〜80,000円です(税抜)。肥料代の節約分だけで見るのではなく、1株の重さが上がった場合の売上と合わせて、1作の売上と経費で比べてください。
よくあるご質問
液肥はいきなり20%減らしてよいですか
いいえ、まず10%から、区を分けて比べてください。生育が落ちなければ、次の作で20%へ進めます。
肥料の種類を変える必要はありますか
いいえ、いまの肥料のままで試せます。変える条件を1つに絞ったほうが、結果の読み取りが確かになります。
露地の元肥にも同じ考え方が使えますか
使えます。余っている分から減らす考え方は同じです。露地は天候の影響が大きいので、比べる区を隣り合わせに置いて条件をそろえてください。
試してから決められますか
はい。効果を確かめるためのレンタル品があり、1作比べてから判断していただけます。
有機の液肥でも同じように減らせますか
減らす手順は同じです。有機の液肥は成分がばらつきやすいので、1回ごとの濃度を測って記録し、減らした幅を正しくつかんでください。
この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。
お気軽にお問い合わせください。


