資材費が上がった分を、反収で取り戻せるか|計算のしかた

資材費が上がった分を、反収で取り戻せるか|計算のしかた

この記事の結論

取り戻せるかどうかは、「上がった費用 ÷(いまの売上 × 出荷経費を除いた割合)」で出る、反収の伸び率で判断できます。売上2,769,250円・出荷経費3割の経営で費用が200,000円上がったなら、必要な反収の伸びは約10%、費用のうち100,000円を抑えられれば約5%です。

かん水の水だけを変えた比較試験では、ニラの株重量が265gから390gになっており、必要な伸びに届くかどうかを、自分の圃場で1作比べて確かめられます。

肥料・燃料・資材・電気が上がり、補助金と節約だけでは追いつかないと感じている生産者の方へ。反収で取り戻すときの計算を、自分の数字で出せる形にしました。

目次

上がった費目を並べる(肥料・燃料・資材・電気)

最初に、去年と今年で費目ごとの支払いを並べます。決算書や青色申告の科目をそのまま使えば、肥料費、動力光熱費、農薬衛生費、諸材料費などに分かれています。

上がり方は費目ごとに違います。量は変えていないのに単価だけが上がったのか、使う量も増えたのかを分けておくと、あとで打つ手が決まります。

電気は、ハウスの換気扇や暖房機、井戸のポンプで使います。基本料金と使った量の料金に分かれているので、どちらが上がったのかも見ておくと、打つ手が変わります。

反収が何%上がれば釣り合うかの計算

反収が上がると売上は増えますが、増えた分にも箱代・運賃・手数料がかかります。だから、上がった費用を売上の総額で割るのではなく、出荷経費を差し引いた残りで割ります。

項目 例の数字 計算
いまの売上 2,769,250円 10a・年11,000株・265g・950円/kg
出荷経費の割合 30% 箱代・運賃・手数料
残る割合 70% 1 − 0.3
上がった費用 200,000円 去年との差
釣り合う反収の伸び 約10.3% 200,000 ÷(2,769,250 × 0.7)

この表は計算の例です。ご自身の売上と出荷経費を入れて確かめてください。

単価が上がったときと、反収が上がったときの違い

単価が上がると、箱の数も手間も変わらないまま売上だけが増えます。反収が上がると、出荷量が増える分だけ経費も増えます。同じ10%でも、手元に残る額は単価のほうが大きくなります。

ただ単価は相場と売り先で決まり、自分の手では動かしにくいものです。反収は自分の圃場の中で動かせます。だから計算は反収で立て、単価が上がった年は上乗せとして受け取る、という順番が現実的です。

相場が下がった年に反収の伸びがあれば、落ち込みを埋める働きもします。反収の伸びは、単価の上下とは別に積み上がる部分です。

くわしいご案内同じ面積と同じ人数で、収量を上げる|かん水の水を変えた圃場で起きたこと

費用を下げる手と、収量を上げる手をどう組むか

費用を下げる手は、使う量を減らすか、安いものに替えるかです。減らしすぎると反収が落ちるので、それだけで取り戻せる額には限りがあります。反収を上げる手と組み合わせれば、どちらにも無理をかけずに済みます。

例の経営で、費用を100,000円抑えられれば、反収で取り戻す分は半分の約5.2%で済みます。費用を抑える手と組み合わせるほど、反収に求める伸びは小さくなります。

抑える手の候補は、暖房の設定温度と保温、液肥の濃度、資材の使い回しです。どれも出来に響かない範囲を1作ずつ確かめ、抑えられた額を式の上がった費用から引いていきます。

一度の投資で、反収と肥料の両方に関わる場所

かん水の水は、反収と肥料の両方に関わります。同じハウスを2つに分けて水だけを変えた試験で、株重量は390gと265g、約1.5倍でした。別の試験環境では、液肥を20%減らしても通常以上の生育が報告されています。

UFB DUAL® は給水管に取り付けて、水道の水圧だけで直径1マイクロメートル未満の泡をつくります。燃料も電気も使わないので、上がり続けている費目を増やしません。20Aなら製品代350,000円、工事費60,000〜80,000円です(税抜)。

例の経営に当てはめると

釣り合う反収の伸び約10.3%は、265gの株が約292gになる計算です。費用を100,000円抑えた場合の約5.2%なら、約279gで釣り合います。

水だけを変えた試験では、株重量が265gから390gと125g増えていて、292gに届くのに必要な27gを大きく上回っています。ただし差の出方は作物と圃場で変わるので、1作比べてご自身の株重量で確かめてください。

自分の数字で試算する手順

次の順に埋めれば、取り戻せるかどうかが1枚で分かります。

  • 去年と今年の費目ごとの支払いを並べ、差を出す
  • いまの売上と、出荷経費の割合を出す
  • 差 ÷(売上 × 残る割合)で、釣り合う反収の伸びを出す
  • 費用を抑えられる額を引いて、もう一度計算する
  • その伸びが、1作の比較で確かめられる範囲かを見る

よくあるご質問

出荷経費の割合が分かりません

箱代・運賃・市場手数料の1年分を、売上で割ってください。精算書にまとまっていることが多いです。

反収が10%上がれば十分ですか

上がった費用の大きさ次第です。上の式に自分の数字を入れれば、必要な伸び率が出ます。費用を抑える手と組めば、必要な伸び率は下がります。

燃料費の上がり分にも同じ式が使えますか

使えます。燃料は暖房の設定や保温で抑える手もあるので、先に抑えられる額を引いてから計算してください。

水を変えた効果を、自分の圃場で確かめられますか

効果を確かめるためのレンタル品があります。同じ条件の2区で1作比べ、株重量と収穫日を取ってから判断していただけます。

設備の費用も、上がった費用に入れて計算するのですか

入れて計算してください。20Aなら製品代と工事代で410,000〜430,000円(税抜)で、導入後の支払いはありません。1作目の費用に全額を入れるか、使う年数で割って入れるかで、必要な伸び率が変わります。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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