後継ぎに「継いでいい」と言えるまでに、何を変えるか

後継ぎに「継いでいい」と言えるまでに、何を変えるか

この記事の結論

変えておきたいのは、作業時間あたりに手元に残る額です。親子で売上・経費・作業時間を1枚の表に並べ、時間を取られている作業を減らす手と、同じ面積で採れる量を増やす手を、代替わりの前に1作ずつ試しておきます。

同じ面積と人数で採れる量については、かん水の水を変えた比較試験で、ニラの株重量が390gと265g、収穫は約4日早まったという数字があります。

子どもに継いでほしいけれど、いまの儲けでは勧められないと感じている経営者の方と、継ぐかどうか迷っている方に向けて書きました。

目次

継ぐかどうかを考えるときに比べられる数字

会社勤めをしている後継ぎの方にとって、いちばん比べやすいのは、時間あたりにいくら残るかです。休みが少なく、夏と繁忙期に手が離せない仕事で、手取りが勤め先の給料を下回るなら、継ぐとは言いにくくなります。

逆にいえば、時間あたりの手取りが見えて、それが上向いていれば、話の入り口が変わります。感情の話にする前に、数字を1枚の紙に並べることから始めます。

いまの手取りを分解する

親と後継ぎで、同じ表を一緒に埋めてください。どこが重いかが、2人で同じように見えるようになります。

  • 作物ごとの売上(出荷量 × 単価)
  • 肥料・燃料・資材・出荷経費
  • ハウスと機械の修繕、借入の返済
  • 作業ごとの時間(定植・管理・かん水・収穫・出荷)
  • 手取りを作業時間で割った、時間あたりの額

表を埋めると見えること

表を埋めると、売上の欄より、作業時間の欄のほうが重く見えることがあります。たとえば、かん水の見回りや、チューブの詰まりの点検、収穫が集中する時期の作業です。どの作業に時間を取られているかが、欄ごとに分かります。

時間の欄が見えると、減らす先も決まります。人を増やすのか、作業を減らすのか、同じ時間で採れる量を増やすのか。後継ぎと一緒に選べる形になります。

設備に一度だけ投資するという考え方

毎年かかる費用を下げる手と、一度払えば続く手があります。継ぐ側から見て助かるのは後者です。引き継いだあとに、毎年の支払いと手入れが増えないからです。

UFB DUAL® は、給水管に一度取り付ければ、水道の水圧だけで動き続けます。電気代も交換部品もありません。保証は計10年(メーカー2年と筆頭正規特約店 株式会社ライヴスの延長8年)で、代替わりの前後をまたぐ長さがあります。

20Aなら製品代350,000円と工事費60,000〜80,000円で、その後の支払いはありません。毎年の資材代として積み上がる支出とは、引き継いだあとの重さが違います。

くわしいご案内同じ面積と同じ人数で、収量を上げる|かん水の水を変えた圃場で起きたこと

手間が減ると、引き継ぎやすくなること

かん水チューブの詰まりをどう見つけ、どう直すかは、長く続けてきた人の勘で回っていることが多い仕事です。書き残しにくく、引き継ぎで抜けやすい部分でもあります。

UFB DUAL® の泡には、チューブの内側に汚れが固く付くのを抑え、すでに付いた汚れを剥がれやすくして、水の流れで運ぶ働きがあります。チューブの洗浄がなくなるわけではありませんが、次の洗浄までの間隔が延びれば、詰まりを探して見回る回数も減ります。勘に頼る場面が減るぶん、継ぐ側が最初に覚えることが少なくなり、見回りに使っていた時間も、収穫と出荷に回せるようになります。

1作で確かめてから決める

やり方は、いつも作っているハウスの半分だけを水の違う区にすることです。株の重さ、茎の太さ、根の量、収穫日を、親子で同じ用紙に付けていきます。レンタル品を使えば、設備を買う前のこの1作で数字がそろいます。

記録は後継ぎの方に取ってもらうのがよい形です。自分で取った数字なら、継いだあとの判断にそのまま使えます。

比べる期間は1作で足ります。ニラなら株の重さと刈り取りまでの日数、葉物なら1株の重さと規格外の数。作物ごとに、出荷の値段に直結する項目を2つか3つ決めておけば十分です。

数字が動いたら、どう伝えるか

1作比べた結果は、最初に作った手取りの表の同じ欄に書き足して見せてください。株重量、収穫日、かかった作業時間が、変える前と後で並びます。

継ぐかどうかの話は、この表を前にするとしやすくなります。親の勘ではなく、2人で取った数字だからです。動いた欄と動かなかった欄を確かめ、次の作で何を変えるかを一緒に決めていけば、それがそのまま引き継ぎの準備になります。

承継の相談先(第三者継承という選択肢も)

家族が継がない場合でも、経営を続ける道はあります。農地の貸し借りは市町村の農業委員会、経営の引き継ぎや就農希望者との引き合わせは、都道府県の就農や経営の相談窓口と地域の農協が受けています。

第三者に引き継ぐときも、手取りと手間の数字がそろっている経営のほうが、話が早く進みます。どちらの道を選んでも、数字を整えておくことは無駄になりません。

よくあるご質問

収益の数字は、どこまで細かく出せばよいですか

作物ごとの売上と、肥料・燃料・資材・出荷経費、作業時間の3つがそろえば十分です。まず1年分を並べ、時間あたりの手取りを出してください。

設備を導入したあと、毎年の支払いは増えますか

増えません。20Aなら製品代350,000円と工事費60,000〜80,000円(税抜)の一度きりで、電気代や部品代はかかりません。買う前に1作試せるので、数字を見てから判断できます。

親の代で導入した設備を、子が引き継げますか

引き継げます。保証は計10年で、窓口は当社のまま変わりません。

どの作物で差が出ていますか

ハウスのニラと、水耕のリーフレタス7品種で数字が出ています。ほかの作物は、自分の圃場で1作比べて確かめる形になります。

後継ぎが別の仕事と兼業でも続けられますか

続けられるかどうかは、作業時間をどこまで減らせるかで変わります。見回りと点検の回数を減らせる設備と、時間のかからない作物の組み合わせを、表の数字を見ながら決めていくのが近道です。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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