この記事の結論
減量認定の「減量水量20パーセント」は大阪市の要件で、1か月の減量水量(蒸発などで下水に流れなかった水)が、その月の建物全体の使用水量の20%以上あることを求めています。ブロー水を減らすと、蒸発分の割合が上がって20%に届きやすくなります。届かない月はその月の認定が受けられず、申請前の1か月の測定で届かなければ申請できません。
届かないときは、測った月が冷房のよく動く時期だったか、ボイラーの蒸発などほかに含められる水がないかを見直します。冷却塔のブロー水を減らすと建物全体の使用水量が減り、割合が上がります。基準は自治体で違い、東京都は10%(1,000㎥を超える月は100㎥以上)、名古屋市は30%、川崎市は率ではなく差の大きさで判断します。
減量認定の20%という数字を見て、自分の建物は届くのか、届かないときに道はあるのかを確かめたいご担当者さまに向けた記事です。
20%という数字は、どこに書かれているのか
20%が出てくるのは、大阪市の汚水排出量の減量認定に関する事務取扱要綱の第3条です。大阪市の案内は、その要件の1つ目として、排水口のすべてに流量計を付けて汚水排出量を特定でき、1か月あたりの減量水量が総使用水量の20%以上であることを挙げています。
20%は大阪市の数字で、全国共通の要件ではありません。ほかの自治体は、基準そのものが違います。
何に対する20%なのか
分子は1か月の減量水量、つまり蒸発などで下水に流れなかった水です。分母はその月の総使用水量で、冷却塔の補給水だけでなく、建物全体で使った水が入ります。
計算の例で言えば、総使用水量が1,000m³の月なら、下水に流れなかった水が200m³以上要ります。トイレや厨房、洗面で多くの水を使う建物ほど分母が大きくなり、冷却塔の蒸発分が同じでも割合は小さく出ます。
分母に入る水の多くは、冷却塔とは関係のない建物の使い方で決まります。テナントの入れ替わりや、厨房の営業時間の変化でも割合は動くので、一度届いた建物でも、月ごとの数字を見続けることになります。
月ごとに判定される
大阪市は、総使用水量に対して減量水量が20%に届かない月は、その月の減量認定を行わないとしています。一度認定を受ければ毎月外れるわけではなく、月ごとに基準に届いたかどうかで決まります。
冷房を止める季節は蒸発が小さくなるので、その月は20%に届かず、認定されない月になりえます。申請前に求められる1か月の測定も、冷却塔がしっかり動く時期に当てないと、申請の入口で止まります。
くわしいご案内下水道料金は申告で減らせる|冷却塔の蒸発分が対象になる減免制度
率は自治体で違い、率で決めない自治体もある
川崎市は、使用水量と排出汚水量に著しい差異が生じており、その事実がメーターの設置により明確な根拠があると認められることを条件にしています。何%という基準は書かれていません。東京都は、1か月の減水量が総使用水量の10%以上(総使用水量が1,000㎥を超える月は、減水量100㎥以上)を数値基準にしています。名古屋市は、下水道条例施行規程第39条で、下水道へ出さない水量が使用水量の30%以上であることを求め、前年1〜12月の実績で次の年度の適用を決めます。
京都市の要綱には率の要件が見つからず、計測装置で測定できることを原則にしています。同じ水量でも、自治体によって届く・届かないが分かれるということです。
届かない場合に、先に確かめること
大阪市で20%に届かなかったときも、すぐにあきらめる必要はありません。先に次の4つを確かめてください。
- 測った月が、冷却塔のよく動く時期だったか
- ボイラーの蒸発など、ほかにも下水に流れない水があり、減量水量に含められるか
- 下水へ出る経路がメーターを通らず、蒸発分が小さく出ていないか
- 要綱第3条の、排水口流量計によるもの以外の号に当たらないか(大阪市の案内は要件を「主に次のいずれか」と書いている)
捨てている水を減らすと、蒸発分の割合は上がる
ここだけは制度ではなく、使う水そのものの話です。蒸発する水の量は冷房の負荷で決まり、ブロー水を減らしても変わりません。変わるのは分母の総使用水量で、捨てている水が減るほど、蒸発分の割合は上がります。
計算の例では、蒸発などで下水に流れない水が180m³、総使用水量が1,000m³の月は18%です。ブロー水を150m³減らすと、総使用水量は850m³になり、割合は約21%になります。
捨てる水を減らす方法の1つが、スケールを付きにくくして、冷却水を濃いまま回す運転です。当社が扱う emiiR®(エミール)は、流れる水の力でスケールの固着を抑え、この運転を支える装置です。蒸発する水の量と補給水量が分かれば、ブロー水を絞ったときに20%に届くかどうかの試算をお出しします。
よくあるご質問
20%は、1年の平均で判定されますか
大阪市は、20%に届かない月はその月の減量認定を行わないとしていて、月ごとに判定されます。冷房の季節と、そうでない季節で結果が変わります。
20%に届かない月があると、認定が取り消されますか
大阪市の案内は、届かない月はその月の分を認定しないと書いています。取り消されません。届かない月だけが対象外になります。
川崎市の「著しい差異」は、何%くらいですか
川崎市の案内には、数字は書かれていません。メーターの設置により明確な根拠があると認められるかどうかで判断されるので、事前協議で具体的に確かめてください。
総使用水量には、何が入りますか
建物で使った水の全体です。冷却塔の補給水だけでなく、トイレや厨房、洗面の水も入ります。そのため建物全体の使い方で割合が変わります。
冷却塔が複数台ある建物では、20%はどう数えますか
大阪市の要件は、排水口のすべてに流量計を付けて汚水排出量を特定し、建物の総使用水量と比べる形です。冷却塔の台数ではなく、敷地全体の水の出入りで判定されます。
この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。
お気軽にお問い合わせください。


