この記事の結論
温浴施設の水道代は、浴槽の換水と補給、洗い場のシャワーとカラン、ろ過器の逆洗、厨房、清掃の5つに分けると、どこで下げられるかが見えます。浴槽の換水では「浴槽の容量×換水の回数」の水が出ていくので、大きな浴槽を毎日換水している施設では、内訳の大きな部分を占めます。
分けるには、水道メーターの検針値に、補給や給湯のラインに付けた私設メーターの値と、換水・逆洗の記録を重ねます。上水と下水道の1立方メートルあたりの単価は自治体ごとに違うので、検針票と自治体の料金表で確かめます。
水道代の請求が上がり、どこで使っているのかを説明できずに困っている支配人・経理の方に向けて、使い道の分け方と、下げる順番をまとめました。
水を使っている場所(浴槽の換水・補給・シャワー・洗い場・厨房・清掃)
水道メーターの数字は1本ですが、中身はいくつもの使い道の合計です。まず、どこで使い、何が量を左右しているのかを並べます。
| 使い道 | 量を決めているもの | 測り方 |
|---|---|---|
| 浴槽の換水 | 浴槽の容量 × 換水の回数 | 容量と回数の記録から計算 |
| 浴槽への補給 | 入浴者が持ち出す湯・蒸発・オーバーフロー | 補給ラインの私設メーター |
| 洗い場のシャワー・カラン | 入館者数 × 1人あたりの使用量 | 給湯側の私設メーター |
| ろ過器の逆洗 | 1回あたりの水量 × 回数 | 逆洗の時間と流量から計算 |
| 厨房・清掃 | 営業と作業の量 | 差し引きで推定 |
使用水量の測り方(メーターと私設メーター)
水道局の水道メーターは、建物に入る水の合計しか分かりません。系統ごとに知りたいときは、補給のラインや給湯のラインに、自分で私設メーターを付けます。
私設メーターを下水道料金の減量の申請に使う場合、検定に合格して有効期間内のものを求める自治体があります。水道メーターの検定の有効期間は8年です(計量法施行令 別表第三)。社内の管理だけに使うなら、まず付けて、毎日同じ時刻に読むことから始めます。
読んだ数字は、日付・時刻・入館者数と並べて記録します。入館者数あたりの使用量が急に増えた日があれば、その日の作業か、どこかの漏れを疑えます。
換水の頻度が水量を決めていること
国の要領は、浴槽を毎日完全に換水することを基本にし、難しい場合でも1週間に1回以上の完全な換水を求めています。自治体の条例も、これにもとづいて定められています。
換水の量は計算で出せます。計算の例として、容量20立方メートルの浴槽を毎日換水すると、30日で600立方メートルです。週1回なら、30日で約86立方メートルです。浴槽ごとの容量と換水の頻度を並べると、換水が水道代のどれだけを占めるかが分かります。
基準の回数に加えて、濁りが早く戻るために臨時で換水している浴槽があれば、その回数も記録します。この上乗せ分は、浴槽と循環の系統にどれだけ早く汚れが付くかで増減します。
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逆洗で出ていく水
ろ過器は、要領で1週間に1回以上の逆洗浄(水を逆向きに流して、ろ材にたまった汚れを押し出す作業)が求められています。1回の逆洗で流す水の量は、ろ過器の大きさと逆洗の時間で変わります。
逆洗の回数は、主にろ過器の差圧(入口と出口の圧力の差)が上がる速さで決まります。差圧が早く上がれば、基準より多く逆洗することになります。逆洗の前後で差圧を記録しておくと、回数が増えている理由がろ過器の中の付着なのかどうかが分かります。
1回あたりの水量は、逆洗の時間と、そのときの流量から出せます。ろ過器の銘板か取扱説明書に逆洗の流量が書かれていれば、それを使ってください。
上水と下水の単価
水道代の請求は、上水の料金と下水道の使用料が合わさったものです。下水道の使用料は、多くの場合、使った上水の量をそのまま汚水の量とみなして計算されます。単価と料金の段階は自治体ごとに違うので、検針票と自治体の料金表で確かめてください。
使った量が多いほど単価が高くなる料金の段階を持つ自治体では、使用量を少し減らすだけで、単価の高い段階の分から減っていきます。下げたときにいくら浮くかは、この段階を見ないと正しく計算できません。
下げられる順番
最初に見直すのは、基準の上に上乗せしている部分です。臨時の換水、増えている逆洗、閉め忘れと漏れがこれに当たり、どれも記録をつけると見つかります。衛生の基準で決まっている換水の回数と逆洗の最低限の回数は、下げる対象にしません。
次に、上乗せの原因になっている付着に手を入れます。元栓直下に UFB DUAL® を付けると館内の水がウルトラファインバブルを含む水になり、付着を抑えます。減水率は約5%で、シャワーの勢いも補給の量もいまのままです。ほかの多くの装置では、ウルトラファインバブルを生成するときに水圧が10〜30%以上下がるものも多く、UFB DUAL® とは数倍の差があります。この設備が働くのは水の量ではなく、配管とろ過器と浴槽に汚れが付く速さの側で、臨時の換水と逆洗の回数を見直す材料をつくります。
この順番で進めると、衛生の水準を保ったまま、どこで何立方メートル減ったかを説明できます。
UFB DUAL® は元栓型の装置で、館内の系統がまとめて変わります。給水管の口径と、記録で分かった上乗せの費目をご相談内容にお書きいただければ、どこから見直せるかとお見積もりをお返しします。
よくあるご質問
水道代のうち、いちばん大きいのはどこですか
大きな浴槽を毎日換水している施設では、浴槽の換水です。浴槽ごとの容量に換水の回数を掛けて合計し、水道メーターの月の使用量と比べると、換水の占める割合が分かります。
換水の回数を減らしてもよいですか
要領と条例で決まっている回数は守ります。見直せるのは、濁りなどの理由で基準より多く行っている臨時の換水です。
私設メーターは必ず検定品でなければなりませんか
社内の管理だけに使うなら、検定品でなくてもかまいません。下水道料金の減量の申請に使う場合は、検定品で有効期間内のものを求める自治体があるので、申請先に確かめてください。
シャワーの水を絞れば水道代は下がりますか
下がりますが、お客様の使い心地が変わります。下げたい金額と、洗い場で大事にしている使い心地の両方を並べて判断します。
漏れはどうやって見つけますか
閉館後、すべての水栓を閉めた状態で、水道メーターのパイロット(水が流れると回る小さな目印)が回っていないかを見ます。回っていれば、どこかで水が流れ続けています。
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