この記事の結論
店舗による味の違いは、食材とロット(産地・精米日・保管)、オペレーション(計量と時間のずれ、機器の型)、水(地域ごとの硬度)の3つに分けると、原因を絞り込めます。食材とオペレーションは本部の決めごとでそろえられるので、先にこちらを確かめます。
水道水の硬度は出店した地域で決まり、UFB DUAL® を付けても変わりません。水の側で変えられるのは、それぞれの店舗の中での、冷めてからの香りやにおい、雑味の出方です。
「店舗によって味が違う」と言われ、原因を探すことになった本部の品質管理・商品開発のご担当者さまに向けて、どこから見ればよいかを順番にまとめました。
「店舗によって違う」と言われたときに見る場所
最初に分けるのは、どの品目が、どの時間帯に、どの店舗で言われたかです。レビューやお客様の声を、この3つの列に並べ直すだけで、原因の見当がつくことがあります。
特定の品目に偏っているなら、その品目の食材か手順。特定の時間帯なら、作り置きや保温の時間。特定の店舗なら、その店舗の人と機器と水。声の偏り方が、そのまま調べる場所を教えてくれます。
どの店舗でも時間帯でも散らばって出ているなら、原因は1つではありません。3つに分けて、1つずつ消していくのが近道です。
食材とロットで変わるところ
食材の側では、仕入れ先と産地、ロット、店舗に着いてからの保管の条件が変わります。同じ規格書で仕入れていても、配送の距離や冷蔵庫の詰まり具合で、使う時点の状態はそろいません。
米なら精米日、野菜なら入荷日、だしの素材なら開封日。どの店舗が、いつ届いたものを、何日目に使っているかを並べると、味の声がロットの切り替えと重なっていないかが分かります。
オペレーションで変わるところ
オペレーションで多いのは、計量と時間のずれです。手順書にはグラムと分で書いてあっても、ピークの時間帯には目分量になり、茹で時間や保温時間が延びていきます。
人の入れ替わりが多い店舗ほど、このずれは大きくなります。手順書どおりに作った日と、ピークの日の実際を1日ずつ記録して見比べると、どの工程で差が出ているかが見えます。
機器の型の違いも入ります。炊飯器やスチームコンベクションの型が違えば、同じ手順でも仕上がりは変わります。
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水で変わるところ
水が味に入る工程は、炊飯、だしとスープ、うどんの茹で湯、野菜の洗い、製氷です。どれも水を大量に使い、しかもその水が仕上がりに残る工程です。
水の違いとして大きいのは硬度です。カルシウムやマグネシウムの多い水では、昆布や鰹節からうま味が出にくくなることが知られています。
店舗ごとに浄水器や軟水器を付けている場合は、その機器の手入れの状態も、水の条件に入ります。
水の硬度は地域で違う
水道水の硬度は、主に水源が川か湖か地下水か、どの地層を通ってきたかで変わります。同じ県の中でも、浄水場が違えば硬度は変わります。
食品の規格基準の告示が定める食品製造用水の規格でも、硬度は「300mg/l以下」という幅で決められています。水道水もこの幅の中にあり、その中で地域ごとに数字が違う、というのが実際のところです。
多店舗展開では、この違いが店舗の立地に付いてきます。出店した地域の水道事業者が公開している水質検査の結果を集めれば、各店舗の水の硬度を数字で並べられます。
何をそろえられて、何が残るか
手順書と計量、食材の規格と保管、機器の型は、本部の決めごとでそろえられます。残るのは、店舗の立地に付いてくる水の硬度です。
ウルトラファインバブルを含んだ水にしても、硬度は変わりません。変えられるのは、それぞれの店舗の水で作ったものの、冷めてからの品質です。メーカーの試験では、炊きたての香気成分が増え、冷めたときのすえた臭いが軽くなる傾向が出ています。惣菜やスープでは雑味が軽くなり、調味料の量を抑えながら味を安定させる方向に働きます。
水の側の対策が受け持つのは、店舗と店舗のあいだの差ではなく、ひとつの店舗の中での、作りたてと時間がたったあとの差です。テイクアウトや弁当の比率が高い店舗ほど、こちらの差がお客様の声になりやすいところです。
1店舗ずつ確かめる順番
最後の比べ方は、1店舗で元栓への設置の前後を比べる形で組みます。比べる期間と記録の形は、店舗で試す設計の記事にまとめています。
対象にしたい品目と店舗の数、水道メーターの口径が分かれば、どの店舗から試すかを一緒に決められます。
- 声の偏りを、品目・時間帯・店舗の3つの列に並べ直す
- 手順書どおりの日と、ピークの日の実際を記録する
- ロットの切り替え日と、味の声の日付を重ねる
- 地域の水質検査の結果から、店舗ごとの硬度を並べる
- 冷めてからの差が残る品目は、同じ店舗で水だけを変えて比べる
よくあるご質問
店舗間の味の差は、水を変えれば小さくなりますか
店舗の間の差のうち、水の硬度に由来する部分は小さくなりません。硬度は地域の水源で決まり、ウルトラファインバブルを含んだ水にしても変わらないからです。水の側で小さくできるのは、同じ店舗の中での作りたてと冷めたあとの差です。店舗の間の差は、手順と食材の側から詰めていくのが確かです。
軟水器を付ければ、硬度の差は詰まりますか
軟水器は硬度を下げる機器なので、硬度の差を詰める目的には合います。塩の補充や樹脂の手入れが続く設備なので、その手間と費用を含めて検討してください。UFB DUAL® は硬度を変えない設備で、受け持つところが違います。
店舗の水の硬度はどこで調べられますか
各地の水道事業者が、ウェブサイトで水質検査の結果を公開しています。硬度(カルシウム、マグネシウム等)の欄を、店舗の住所がある給水区域で確かめてください。
どの品目から比べるのがよいですか
ご飯とだしです。どちらも水を多く使い、時間がたってからの品質が声になりやすい品目です。うどんを扱う店舗では、茹で湯も比べる対象に入ります。
1店舗だけ「味が落ちた」とレビューに書かれました。何から見ますか
その店舗で最近変わったことを先に並べます。人の入れ替わり、仕入れのロット、機器の修理や交換です。水道水の硬度は店舗の立地に付いてくる条件なので、ここ数か月で声が増えたのなら、手順と食材の側を先に疑うのが近道です。
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