ハウスの連作障害と、土と水の関係

ハウスの連作障害と、土と水の関係

この記事の結論

ハウスの連作障害は、土壌病害、線虫、塩類集積、土の微生物の偏りの4つが重なって現れることが多く、土と水が関わる度合いはそれぞれ違います。水が直接関わるのは塩類集積で、施肥の残りに加えて、かん水に使う水にもともと含まれる塩類も土にたまります。

まず土壌診断と、かん水の水の電気伝導率(EC)を測り、4つのうちどれが主な原因かを確かめてから対策を選びます。

同じハウスで同じ作物を続けていて、だんだん生育が落ちてきた。その原因を4つに分けて、それぞれの対策と、かん水の水を変えて見直せる範囲を生産者の方に向けて整理しました。

目次

連作障害と呼ばれているものの中身

1つめは土壌病害です。特定の病原菌が土に増え、同じ作物を植えるたびに発病します。2つめは線虫で、根にこぶや傷を作って水と養分の通り道を壊します。

3つめが塩類集積です。施肥のうち吸われなかった分が土に残り、濃度が上がって根が水を吸いにくくなります。4つめは微生物の偏りで、有機物の分解が進まなくなる方向に働きます。

地上部の症状は、どれも似ています。生育が止まる、葉色が薄い、株ごとにばらつく。だから症状から原因を決めることはできません。

原因ごとに、有効な対策が違う

土壌病害と線虫は、土壌消毒・輪作・接ぎ木・対抗植物といった対策が中心です。この2つは、かん水の水を変えても改善しません。対策が確立している領域なので、普及指導センターなど指導機関の防除の考え方に沿って組みます。

4つのうち2つ以上が重なっていることもよくあります。そのときは、いちばん人手を取られているものから手を付けます。

原因 確かめ方 主な対策
土壌病害 土壌診断・発病株の検定 土壌消毒・輪作・接ぎ木
線虫 土壌診断(線虫密度)・根のこぶ 対抗植物・輪作・土壌消毒
塩類集積 土の電気伝導率・かん水の水の電気伝導率 施肥の見直し・除塩・かん水の設計
微生物の偏り 土壌診断(有機物・生物性) 有機物の投入・耕うんと水分の管理

塩類集積には、施肥の残りとかん水の水が関わる

ご存じのとおり、雨の入らないハウスでは、吸われなかった肥料分が流れ出ずに土に残ります。露地より塩類集積が進みやすいのはこのためです。

電気伝導率は、土でも水でも測れます。かん水に使う水のECがもともと高い場合は、施肥を絞っても土のECは下がりません。水源を変える、あるいは希釈するという判断になります。

かん水の設計も影響します。1回の量が少なすぎると、肥料分が表層に集まります。作の合間にまとめて水を入れて流す除塩が行われるのは、この裏返しです。

測るタイミングは、作の合間がいちばん分かりやすいです。前作の残りが数字として見えるので、次の施肥の設計にそのまま使えます。

くわしいご案内同じ面積と同じ人数で、収量を上げる|かん水の水を変えた圃場で起きたこと

土の微生物と、有機物の分解

有機物は、微生物が分解してはじめて作物が使える形になります。分解が進まないと、入れた有機物が土の中に居座り、施肥の計算も合わなくなります。

正規特約店 株式会社ライヴスの資料では、ウルトラファインバブル(直径1マイクロメートル未満の泡)を含む水で、有機肥料の分解と吸収が進みやすくなること、土が団粒構造になりやすくなることが報告されています。

この変化の出方は、土の条件によって変わります。そのため、土壌診断の数字を作の前後で取り、変化として見るのがいちばん確かな読み方になります。

分解の速さには、主に有機物を入れる量、耕うんの深さ、水分の管理の3つが関わります。どれか1つだけを変えても、結果は変わりにくい組み合わせです。

かん水の水を変えて見直せること

UFB DUAL® で見直せるのは、かん水のラインと器具の内側への汚れの付き方、収穫物や器具の洗いやすさ、そして有機物の分解に関わる土の状態です。UFB DUAL® は、水道の水圧だけで直径1マイクロメートル未満の泡を作り、汚れの付着力を弱めます。

土壌病害と線虫への対策にはなりません。病原菌や線虫を減らす装置ではないので、土壌消毒と輪作の計画はそのまま続けます。当社がご提案するのは、その計画に並行して加える形です。

手を付ける順番

最初に土壌診断です。4つのうちどれが主な原因かが分からないと、打つ手が全部半端になります。あわせて、かん水の水の電気伝導率を測っておきます。

次に施肥とかん水の設計を直します。塩類集積への対策は、ここで進みます。土壌病害と線虫が主な原因なら、防除の計画を先に立てます。

UFB DUAL® は、これらの対策と並行して導入できます。工事は給水管だけで終わり、栽培の手順を作り替える必要はありません。

よくあるご質問

土壌消毒の代わりになりますか

なりません。病原菌や線虫を減らす装置ではないので、土壌消毒と輪作の計画はそのまま必要です。UFB DUAL® で見直せるのは、かん水のラインの内側への汚れの付き方と、洗いやすさ、土の状態です。

塩類集積は水を変えれば下がりますか

下がりません。塩類集積は主に土に残った肥料分の量によるので、施肥の見直しと除塩、かん水の設計で対処します。かん水に使う水の電気伝導率が高い場合は、水源そのものの判断になります。

何を測れば、原因が分かりますか

土壌診断(病害・線虫密度・電気伝導率・有機物)と、かん水の水の電気伝導率です。作の前後で同じ項目を取ると、対策の効果があったかどうかも読めます。

有機物の分解が進むという話の根拠は何ですか

正規特約店 株式会社ライヴスの資料にある報告です。ウルトラファインバブルを含む水で、有機肥料の分解と吸収が進みやすくなること、土が団粒構造になりやすくなることが示されています。土の条件で出方が変わるため、診断の数字を作の前後で比べてください。

工事でハウスを止める必要はありますか

ハウスを止める必要はありません。作業は給水側だけで、水が止まるのは1〜2時間です。配管を切ってつなぎ込んだあと、接着剤が固まるまで水を通せないためで、全体は3時間〜半日で終わります。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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