この記事の結論
賃貸の設備投資の優先順位は、設備の人気ではなく、お金の出方で決めます。
まず給湯器や漏水のように止まるとすぐに支出が出るものの予算を確保し、次に各戸に配る備品のように戸数に応じて増える費用を見直し、残った予算で、入居者さまが入れ替わっても建物に残る設備を選びます。
最後の枠は、募集・入居中・退去時のどの場面で役立つかで比べます。たとえば50戸の建物で水回りの設備(40A)を1台付けると総額2,650,000円、10年で割ると1戸あたり月440円ほどです。
限られた予算を、どの設備から使うか決めたいオーナーさま向けに、順位の付け方と、水回りに置いた場合の金額を並べました。
順位は、人気ではなく「お金の出方」で決まります
設備の一覧を眺めて、よさそうな順に選ぶと、来年また同じ議論から始めることになります。何が人気かは年ごとに入れ替わるのに、お金の出方は入れ替わらないからです。
出方は3つしかありません。止まると即座に支出が出るもの、戸数に比例して増え続けるもの、一度置けば次の募集にも残るもの。手元の候補を、まずこの3つに振り分けます。
- 止まると即座に支出が出る:給湯器、エアコン、給排水の漏れ。壊れてからでは選ぶ余地がない
- 戸数に比例して増え続ける:各戸に配るもの、入れ替えるもの、台帳に行が増えるもの
- 一度置けば次の募集にも残る:建物の側に付き、入居者が入れ替わっても消えないもの
もう少し詳しく:3つに振り分ける順番を変えない理由
1番の枠は、選択肢がないので先に予算を確保します。ここを削ると、故障のたびに割高な手配になり、順位の話そのものができなくなります。
2番の枠は、足すより総量を見直す側です。3番の枠に回せる予算は、ここを絞って作ります。
手持ちの候補を、同じ紙に並べてみます
振り分けたあとは、3番の枠の中を比べます。見るのは金額ではなく、費用が戸数に比例するかと、どの場面で役立つかの2つです。
役立つ場面が3つあると、費用を取り戻す経路も3つになります
募集のときだけ役立つものは、入居が決まった時点で役目が終わります。入居中と退去時にも役立つものは、同じ金額でも費用を取り戻す経路が3つあります。
水回りは3つの場面に出てきます。募集では備考に書ける1行、入居中は毎日触る場所、退去時は落とす汚れの量です。
| 候補 | どの枠に入るか | 費用が戸数に比例するか | 役立つ場面 |
|---|---|---|---|
| 給湯器・エアコンの更新 | 止まると支出が出る | する(台数ぶん) | 故障したとき |
| 宅配ボックス・共用部の設備 | 次の募集に残る | 建物に1か所なら比例しない | 募集のとき |
| 室内の内装・住宅設備の入れ替え | 次の募集に残る | する(戸数ぶん) | 募集と内見 |
| 水回りの設備(元栓型1台) | 次の募集に残る | しない(1台のまま) | 募集・入居中・退去時 |
この表は振り分けの例です。ご自身の候補を入れて並べてください。
50戸規模の建物で、金額を置いてみます
たとえば引き込み管が40mmの建物なら、40Aを1台取り付けます。口径を決めるのは引き込み管の太さで、戸数ではありません。
工事費の側は、掘る場所の仕上げで決まります。40Aは一般的な条件で150,000円程度です。駐車場の石貼りや玄関まわりのタイルを壊すことになる建物では、そこを元に戻す費用が上に乗ります。
| 項目 | 金額(税抜) |
|---|---|
| 本体 40A | 2,500,000円(メーカー希望小売価格の設定がないためオープン価格) |
| 工事費 40A | 150,000円程度 |
| 総額 | 2,650,000円 |
| 1戸あたり(50戸で割る) | 53,000円 |
| 1戸あたり1か月(10年で割る) | 440円ほど |
もう少し詳しく:口径が小さい建物のとき
引き込み管が25mmの建物なら、口径は25Aです。25Aの本体は600,000円(メーカー希望小売価格850,000円)で、マンションのメーターボックス内の工事(50,000〜60,000円)なら、合計は650,000〜660,000円になります。
20戸で割ると1戸あたり33,000円ほど、10年に割ると1戸あたり月280円ほどになります。戸数が多い建物ほど、1戸あたりは軽くなります。
くわしいご案内賃貸の設備投資は何年で回収できるか|水回りの設備で計算してみる
費用を取り戻せるかは、ご自身の帳簿の数字で確かめます
支出が決まったら、費用を取り戻す経路を2つに分けて式にします。どちらも物件ごとに違う数字なので、式を置いたうえで、条件を書いた例を1つ添えます。
- 失わずに済む家賃 = 1室の家賃 ÷ 30 × 空室が短くなった日数 × 年に入れ替わった室数
- 出さずに済む費目 = 水回りの緊急対応1件あたりの費用 × 減った件数
家賃100,000円の部屋で、式に数字を入れる
1日あたりは3,300円ほどです。年に6室が入れ替わる建物で、1室あたり30日早く決まったとすると、失わずに済む家賃は年600,000円になります。
総額2,650,000円をこの600,000円で割ると約4.4年です。家賃、入れ替わる室数、短くなる日数のどれかが小さくなれば年数は伸びるので、3つとも自分の帳簿の数字に置き換えてから判断してください。
予算を分ける手順は4つです
順位を決める作業そのものは、半日で終わります。使うのは帳簿と修繕計画、それに募集図面の3つです。
- 手順1:この1年に出た修繕と故障の費用を、1番の枠として先に確保する
- 手順2:戸数に比例する費目を書き出し、総量を絞れる行を探す
- 手順3:残った予算で置けるものを、役立つ場面の数で比べる
- 手順4:置くと決めたものは、募集図面の備考に書く文言まで先に決めておく
手順4を先にやる理由
建物の側に付く設備は、書かなければ内見の前に伝わりません。書く文言を先に決めておくと、対象の範囲をどこまで言えるかがはっきりし、口径の相談も1回で済みます。
水回りの設備を順位に入れるなら
順位の中に元栓型の装置を入れるかどうかは、金額が分かると決めやすくなります。UFB DUAL® は引き込みの口径で金額が決まり、毎年の費用はかかりません。口径をお問い合わせのときにお知らせいただければ、製品代と工事代を分けたお見積もりをお出しします。
よくあるご質問
設備投資は、いくらから考えればよいですか
総額を戸数で割り、さらに10年に割ってから考えます。50戸規模で40Aを1台なら総額2,650,000円で、1戸あたり1か月440円ほどです。家賃と並べられる形にしてから、置くかどうかを決めます。
水回りの設備は、いくらかかりますか
本体は口径で決まり、賃貸でよく使う25Aなら本体600,000円(メーカー希望小売価格850,000円)、40Aなら2,500,000円です(税抜)。全口径の価格は、設備投資の回収年数をまとめた記事でご覧いただけます。工事費はマンションで50,000〜60,000円、40Aと50Aは150,000円程度が目安です。
保証は何年ですか
10年保証です。メーカーの2年に株式会社ライヴスが8年を足した年数です。10年のあいだのお問い合わせも当社でお受けします。
工事のあいだ、入居者さまに迷惑はかかりませんか
断水は1〜2時間で、各戸への立ち入りはありません。配管を切ってつなぎ込むとき、接着剤が固まるまで水を通せないためです。受水槽のある建物では槽に貯まっている水を使えるので、各戸は、槽の水があるうちは使えます。
お見積もりには何が必要ですか
水道メーター本体とその周りが写った写真があれば、早くお出しできます。写真は、お問い合わせのあとに担当からお送りするメールに添付してご返信ください。お見積もりは製品代と工事代を分けてお出しし、その金額以上はいただきません。
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