この記事の結論
客室のシャワーヘッドを全室に入れるとき、見積書に出てこない費用は、①清掃・点検で確認する項目が増える人件費、②数年後の交換や、改装・後継品で古く見えたときの入れ替え費用、③取り付けのために客室を止めた分の売上の3つです。
3つとも手元の数字で金額にできます。たとえば取り付けで100泊分の客室を止めると、1泊15,000円なら1,500,000円です。元栓に1台取り付ける方式なら工事は水道メーターのまわりだけで、客室を止めることも、この3つの費用もありません。
全室にシャワーヘッドを入れる見積書を前に、そこに書かれていない費用がどこにあるのかを確かめたいホテル・旅館の担当者さまへ。3つに分けて数え方を書きました。
見えないコストは、3つの場所に分かれている
見積書に出てこない費用は、なくなったわけではなく、ほかの場所で発生します。発生する場所は、スタッフの作業時間、翌年度以降の予算、そしてどの帳簿にも記録が残らない売上の損失の3つです。
3つとも、手元の数字で金額に直せます。計算の式を決めておけば、導入時の見積もりと同じ円の単位で並べられます。
| 見えないコストの種類 | どこに移っているか | 金額に直す式 |
|---|---|---|
| 運用管理 | 現場スタッフの人件費に紛れる | 1室の作業の時間 × 室数 × 年間の回数 |
| 交換と陳腐化 | 来年度以降の予算に出る | 単価 × 交換する数 × 年数 |
| 機会損失 | どの費目にも出てこない | 止まった客室の泊数 × 1泊の単価 |
この表は数え方の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
1つ目|人の時間に紛れる運用管理
客室に器具が1つ増えると、清掃と点検で確認する項目が1つ増えます。付いているか、緩んでいないか、汚れていないかの確認です。1室あたりの時間は短くても、室数と日数を掛けると大きな作業時間になります。
この費用は設備の費目には出てきません。すでにいるスタッフの作業時間の中で吸収されるため、帳簿の上では人件費のままで、増えたことが見えません。
数え方は、1室あたりの作業の時間に、点検する室数と年間の回数を掛けます。ここに、紛失や破損があったときの報告と手配の時間を足します。
2つ目|先の年度に出る交換と陳腐化
交換の費用は、買った年には出てきません。数年たってから、単価と数量を掛けた金額で予算に現れるため、見積書を見ている時点ではゼロとして扱われがちです。
器具が古く見えることによる入れ替えは、予算に項目すら立ちません。客室の改装で意匠が変わったとき、後継品に切り替わったとき、備える館が増えて差別化にならなくなったときに、まだ使える器具を入れ替える判断が出てきます。
この2つは、10年の合計に直すと見えてきます。交換する数と年数を決めて単価に掛ければ、初年度の見積もりと同じ単位で並べられます。
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3つ目|どの費目にも出てこない機会損失
3つのなかで金額が大きくなりやすいのに、どこにも記録が残らないのがこの機会損失です。客室を止める時間、対象から外れる場所、検討が長引く期間の3つの形で生まれます。
客室を止める時間を、販売の単位に直す
取り付けのために客室を止める場合は、1日に何室止めるかを決めると、館の室数から作業の日数が出ます。止めた客室の泊数に1泊の単価を掛ければ、金額になります。
満室の日に当たるかどうかで実際の金額は変わりますが、数える式はこの形です。元栓に1台取り付ける方式では、この費用がかかりません。工事をするのは水道メーターの二次側(メーターより建物側)の1か所で、客室を止めないためです。工事全体は3時間〜半日で、断水は1〜2時間です。配管を切ってつなぎ込むとき、接着剤が固まるまで水を通さないためです。
対象から外れる場所
客室のシャワーヘッドに泡の機能を持たせても、お客様が水に触れる場所のうち対象になるのは1か所です。洗面、浴槽、大浴場、洗い場は対象から外れます。
お客様は、水を場所ごとに分けて評価してはくれません。対象から外れた場所での印象も、同じ館の水の印象として残ります。館が説明できる範囲と、お客様が見る範囲のずれが、2つ目の機会損失です。
検討が長引く期間の費用
比べる材料がそろわないまま検討が続くと、そのあいだは現状のままです。決定が1か月延びれば、その1か月ぶんの清掃と手配の作業が続きます。
比べ方を先に決めておくと、この期間は短くなります。対象の範囲、総額、保証の3つを同じ形で並べれば、比べる作業は資料1枚で終わります。
| 館の室数 | 1日に10室ずつ止めると | 止まる客室・泊数 | 1泊15,000円としたときの金額 |
|---|---|---|---|
| 50室 | 5日 | 50泊 | 750,000円 |
| 100室 | 10日 | 100泊 | 1,500,000円 |
| 200室 | 20日 | 200泊 | 3,000,000円 |
この表は計算の例です。ご自身の室数と客室単価を入れて確かめてください。
元栓に取り付ける方式では、3つの費用がどうなるか
同じ目的を、客室に器具を配る方式と、元栓に1台取り付ける方式で並べ、見積書に出てこない費用だけを取り出すと次のようになります。
元栓の方式で、見積もりの金額の外にあるもの
元栓に1台取り付ける方式にも、見積もりの金額の外にあるものが2つあります。工事の当日に1〜2時間の断水があることと、水道メーターまわりの仕上げが石材やタイルの場合に復元の費用が別に必要になることです。
保証の年数も、見積もりの外に置かずに並べてください。計10年(メーカー2年と筆頭正規特約店 株式会社ライヴスの延長8年)で、窓口は当社ひとつです。
| 見積書に出てこない費用 | 客室に器具を配る方式 | 元栓に1台入れる方式 |
|---|---|---|
| 清掃と点検の確認の項目 | 室数ぶん増える | 増えない(客室に置くものがない) |
| 紛失・破損の報告と手配 | 室数と稼働に比例して起きる | 起きない(配管の中にある) |
| 交換と陳腐化 | 周期ごとにかかる | 周期がない(可動部と消耗品がない) |
| 客室を止める時間 | 室数ぶん必要 | 客室は止めない |
| 対象から外れる場所 | 洗面・浴槽・大浴場・厨房 | 館の中で水が出る場所が対象 |
手元の4つの数字で、見えるようにする
次の4つの数字がそろうと、見えないコストの3つとも金額にできます。あとは導入時の見積もりと並べるだけです。40Aと50Aの本体価格も下に置きます(メーカー希望小売価格は設定のないオープン価格)。
- 室数と、1泊の客室単価
- 1室あたりの確認の時間と、年間の回数
- 1日に止められる客室数
- 器具の単価と、年に交換する数
| 口径 | 本体(税抜) | 工事費の目安(税抜) | 総額(税抜) |
|---|---|---|---|
| 40A | 2,500,000円 | 150,000円程度 | 2,650,000円程度 |
| 50A | 3,500,000円 | 150,000円程度 | 3,650,000円程度 |
よくあるご質問
見えないコストは、見積もりにどう書けばよいですか
3つの金額を足して書きます。1室の確認の時間 × 室数 × 年間の回数、器具の単価 × 年に交換する数 × 年数、止めた客室の泊数 × 1泊の単価です。どれも手元の数字で出せます。
客室を止めずに、シャワーヘッドを取り付けられますか
清掃の合間に取り付ければ止めずに済む場合もありますが、その作業時間は清掃の時間から出ることになります。元栓に1台取り付ける方式なら、客室に立ち入りません。
機会損失は、社内でどう説明すれば通りますか
客室単価と泊数で書くと通りやすくなります。設備の話を客室の売上の単位に直すと、決める人が普段見ている数字と並びます。
元栓に1台入れる形に、見えないコストはありませんか
客室の側にはありません。見積もりの金額の外にあるのは、工事の当日に1〜2時間の断水があることと、水道メーターまわりの仕上げが石材やタイルの場合の復元の費用の2つです。
総額はいくらですか
40Aで2,650,000円程度、50Aで3,650,000円程度です(税抜)。当社販売価格に、15万円程度の工事費を足した金額で、導入後に毎年かかる費用はありません。
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