この記事の結論
水回りの設備投資の費用対効果は、総額を年間の販売室数で割った「1泊あたりの設備コスト」で見ると、館の規模にかかわらず比べられます。元栓に付ける UFB DUAL® の40A(総額2,650,000円・税抜)なら、100室・稼働率70%で1泊あたり約104円、10年間の販売室数で割ると約10円です。
客室にシャワーヘッドを配る方式は室数に比例して費用が増えますが、元栓1台の方式は総額が変わらないので、室数の多い館ほど1泊あたりの金額が下がります。
水回りの設備投資を、稟議で説明できる数字にしたいホテル・旅館さまへ。総額を1泊あたりの設備コストに直す計算と、費用対効果を確かめる費目の選び方を、元栓に付ける UFB DUAL® を例に示します。
回収年数だけでは、館ごとに答えがばらつく
設備投資の検討は「何年で元が取れるか」から始めることが多いと思います。水回りの設備でこれを計算すると、館の規模、稼働率、客室単価、どの費用が下がると見るかで、答えが大きく変わります。
規模の違う館どうしでも同じ物差しで並べられるのが、年間の販売室数です。設備の総額を販売室数で割れば、1泊あたり何円の設備かが分かります。
回収年数を出すときは、条件を先に書く
回収年数を示すなら、室数、稼働率、どの費目で回収するかを先に書きます。条件が書いてあれば、読んだ人が自館の数字に置き換えて確かめられます。
稟議の資料では、回収年数と1泊あたりの設備コストを並べて出すと、規模の違う館や、過去の設備投資とも比べやすくなります。
1泊あたりの設備コストの出し方
計算式は、総額 ÷(室数 × 365日 × 稼働率)です。下の表は、稼働率70%、40Aの総額2,650,000円で計算した例です。
200室規模で50Aになる場合
口径は室数ではなく給水管の引き込みの太さで決まり、200室規模では50Aになる場合もあります。50Aの総額3,650,000円で計算すると、1年分で割って1泊あたり約71円、10年分で割って約7円です。
稼働率が下がったときの数字
稼働率が下がれば販売室数が減るので、1泊あたりの金額は上がります。50室で稼働率50%なら年間の販売室数は9,125泊で、1年分で割ると1泊あたり約290円です。閑散期が長い館は、低めの稼働率でも計算しておくと判断が確かになります。
| 室数 | 年間の販売室数(稼働率70%) | 1年分で割ると(1泊あたり) | 10年分で割ると(1泊あたり) |
|---|---|---|---|
| 50室 | 12,775泊 | 約207円 | 約21円 |
| 100室 | 25,550泊 | 約104円 | 約10円 |
| 150室 | 38,325泊 | 約69円 | 約7円 |
| 200室 | 51,100泊 | 約52円 | 約5円 |
この表は計算の例です。ご自身の室数と稼働率を入れて確かめてください。税抜。
室数が多いほど、1泊あたりが下がる設備
元栓に1台付ける方式は、室数が増えても総額が変わりません。そのため1泊あたりの設備コストは、室数の多い館ほど下がります。
客室にシャワーヘッドを配る方式は、室数が増えると総額も同じ割合で増えます。1泊あたりの金額は室数が増えてもほとんど下がらないので、規模の大きい館ほど2つの方式の差が開きます。
10年分で比べるときにそろえること
元栓の1台は、電源・薬剤・フィルターを使わず、毎年かかる費用がありません。総額をそのまま10年分の販売室数で割って比べられます。
客室に配る方式は、紛失や破損による補充と買い替えが毎年出ます。10年分で比べるなら、10年ぶんの補充費を総額に足してから割ると、同じ条件の比較になります。
費用対効果を確かめる費目
水回りの設備は、売上の1項目だけで回収されるものではなく、いくつかの費用や業務に少しずつ表れます。どの費目で確かめるかを、稟議の前に決めておきます。
- 客室単価と、予約サイトの設備欄に書ける項目
- 客室清掃と設備保全の巡回にかかる時間
- 客室備品の補充と予備の在庫
- 給排水の配管の汚れと、更新工事の時期
配管から人員配置までのつながり
元栓を通る水で配管の内側にスケールやバイオフィルムが蓄積しにくくなると、清掃の時間や設備保全の巡回の頻度を見直す検討材料になります。見直しで生まれた時間をフロントや接客に回せれば、人員配置の改善につながります。
稟議では「配管の付着が抑えられる → 清掃や巡回の頻度を見直せる → 人員を接客に回せる」までを1つの流れとして書くと、設備の費用が館の運営の話として伝わります。
館の数字を1枚にまとめる
室数、稼働率、客室単価、客室清掃の委託単価、客室備品の年間の補充額。この5つを1枚に書き出しておけば、上の式に入れるだけで、1泊あたりの金額と見直せる費目の見当が付きます。
設備の総額は、口径が決まれば確定する
館ごとにばらつくのは効果の表れ方で、設備の総額は口径が決まれば確定します。
総額のほかにかかる費用
総額のほかに費用が加わるのは、水道メーターまわりの床が石材や意匠性の高いタイルで仕上げてある場合です。そのときは仕上げの復元費用が加わり、材料と範囲を確かめてから金額をお伝えします。
導入後に毎年かかる費用はなく、保証は計10年(メーカー保証2年と筆頭正規特約店 株式会社ライヴスの延長保証8年)です。1泊あたりの計算に、毎年の維持費を足す必要はありません。
| 口径 | 本体(税抜) | メーカー希望小売価格(税抜) | 工事費の目安(税抜) | 総額(税抜) |
|---|---|---|---|---|
| 40A | 2,500,000円 | オープン価格 | 150,000円程度 | 2,650,000円 |
| 50A | 3,500,000円 | オープン価格 | 150,000円程度 | 3,650,000円 |
40A・50Aはメーカー希望小売価格の設定がないオープン価格です。
稟議にまとめる順番
次の順番で並べると、稟議の資料が1枚にまとまります。金額から先に並べると、対象になる水の範囲の違いが抜け落ちやすくなります。
- 対象にしたい水の範囲を決める
- 設備の総額を確定させる
- 年間の販売室数で割り、1泊あたりに直す
- 10年分で割った金額を、客室備品の1泊あたりの原価と並べる
よくあるご質問
1泊あたりの金額は、稟議でどう説明すれば伝わりますか
客室備品の1泊あたりの原価と同じ表に並べると伝わりやすくなります。アメニティやリネンの1泊あたりの原価を把握している館なら、その隣に置いて比べられます。
稼働率は何%で計算すればよいですか
直近12か月の実績の平均がよいでしょう。繁忙期の稼働率で計算すると販売室数が多く出て、1泊あたりの金額が小さく見えてしまいます。
総額のほかに費用はかかりますか
水道メーターまわりの仕上げを壊して戻す場合の復元費用だけです。製品代と工事代を明らかにし、お見積もりで提出した以上の金額は一切いただきません。
毎年の維持費はかかりますか
かかりません。水道の水圧だけで泡を作る構造で、電源も薬剤もフィルターも使わず、可動部と消耗品がないので交換部品も出ません。
口径はどう決まりますか
建物に引き込まれた給水管の太さで決まります。室数では決まらないので、水道メーターの口径の表示と給水の系統を見て選定します。
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