かん水にかかっている時間の内訳|どこを削れるか

かん水にかかっている時間の内訳|どこを削れるか

この記事の結論

かん水の時間は、立ち上げ、見回り、バルブの操作、詰まりの洗浄、片付けの5つに分けると、削れる場所が見えます。タイマーや制御盤による自動化で減るのは、立ち上げと操作、見回りの一部です。

詰まりの洗浄と点検は自動化では減らないため、汚れの付き方を遅くして洗浄の回数を減らすのが、残った時間を削る方法です。まず1週間、作業ごとの時間を紙に記録すると、どこに時間がかかっているかが分かります。

かん水に時間を取られていて、自動化を勧められているが判断できないという生産者の方へ。時間の内訳を5つに分け、自動化で減る分と減らない分を仕分けました。

目次

時間の内訳を5つに分ける

まとめて「かん水」と呼んでいる作業を分けます。分けないと、自動化の見積もりを見ても、どこが減るのか判断できません。

作業ごとに、時間を左右するものが違います。操作の回数は主に制御の仕方で、洗浄の回数は主に水質と設備の汚れ方で決まります。

呼び方は農場ごとに違ってかまいません。自動化で減る作業と減らない作業を混ぜたまま、まとめて時間を数えないようにします。

作業 時間を左右するもの 自動化で減るか
立ち上げ(開栓・ポンプ・確認) ハウスの棟数とラインの数 減る
見回り(出方の確認・株の様子) 面積と経験 一部だけ減る
バルブの操作・時間の調整 ラインの数と天候 減る
詰まりの洗浄・出口の交換 水質と設備の汚れ方 減らない
片付け・記録 手順の決め方 一部だけ減る

自動化で減る時間と、減らない時間

タイマーと制御盤、センサーとの連動で減るのは、開け閉めと時間の調整です。ここは人が立ち会わなくても回るようになります。

減らないのは、洗浄と点検です。むしろ、自動で回るようになると詰まりに気づくのが遅れ、末端の株の様子で発見することが増えます。

自動化の見積もりを見るときは、示された削減時間が、5つの内訳のどれを減らした数字なのかを確かめてください。ハウスのかん水は棟ごとにラインが分かれ、洗浄の手間が残るため、見回りと操作だけで数えた数字では、実際より大きく見えることがあります。

制御を入れると、いつ何分動いたかが自動で残ります。記録を取る手間は、そのぶん軽くなります。

洗浄と点検に行っている時間

フィルターの逆洗、末端の開放、出口の交換、タンクの掃除。ここは1回あたりの時間は短くても、回数が多いので合計が伸びます。

しかも、いつやるかを決められません。詰まりは予定に関係なく起きるので、ほかの作業を止めて対応します。この割り込みが、1日の段取りを崩します。

そのため、削ったときの効果が大きいのは回数です。1回を速くする工夫より、次に洗うまでの日数を延ばすほうが、段取りへの影響が小さくなります。

タンクの掃除は、年に数回でも半日仕事になります。回数が少ないぶん記録に残りにくく、見積もりを比べるときにも抜けやすい作業です。

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1週間、記録を取る

紙1枚で足ります。日付、作業名、始めた時刻、終わった時刻、割り込みかどうか。これだけを1週間つけます。

書くのは、かん水に関わる作業だけにしてください。全部を書こうとすると続きません。1週間ぶんが埋まれば、5つの内訳の割合が見えます。

あわせて、末端の出口から1分で出る量と、フィルターの前後の圧力差を週1回取ります。洗浄の回数が、設備の状態とどう結びついているかが読めます。

書く人は1人に決めてください。複数人で書くと作業名の粒度がそろわず、あとで足し合わせられなくなります。

削る順番

1番目は洗浄の回数です。付き方が緩やかになれば、洗うまでの日数が伸びます。割り込みの回数が減るので、1日の段取りが立てやすくなります。

2番目は操作と見回りです。ここは自動化と制御で減らせます。3番目が配管の設計で、ラインの分割と末端の開放を組み替えます。

この順番にしているのは、割り込みの多い作業から手を付けるほうが、同じ削減時間でも体が楽になるからです。

削った時間を何に使うかも、先に決めておきます。決めていないと、空いた時間がそのまま別の作業に吸われて、変わった実感が残りません。

汚れの付き方を遅くして、洗浄の回数を減らす

UFB DUAL® を給水管に取り付けると、直径1マイクロメートル未満の泡が水の中を流れ続けます。マイナスに帯電した泡が汚れの付着力を弱め、いちど離れたものが壁面に戻りにくくなる働きも期待できます。洗浄そのものは続けますが、付着物が固まりにくくなるので、次に洗うまでの日数を延ばしやすくなります。

取り付けは給水側だけで終わります。制御盤も電源も要らず、可動部と消耗品がないので、点検の対象が増えることもありません。

配管・器具の点検と清掃の頻度を見直せるようになると、その時間は設備の延命と、ほかの作業への振り分けにつながります。

よくあるご質問

自動化と両方やる必要がありますか

どちらか一方でもかまいません。減る作業が違うので、両方入れても効果が打ち消し合うことはありません。自動化は操作と時間の調整を、UFB DUAL® は洗浄の回数を減らす方向に働きます。順番としては、割り込みの多い洗浄から手を付けるほうが段取りが楽になります。

記録はどれくらい取ればよいですか

1週間で内訳の割合が見えます。洗浄の回数だけは季節で変わるので、夏と冬の2回取ると自分の農場の幅が分かります。

制御盤や電源につなぐ必要はありますか

ありません。UFB DUAL® は給水管に取り付けるだけで、水道の水圧だけで泡を作ります。配線も制御の設定も要らないので、いまのタイマーや制御盤はそのまま使えます。

点検の項目が増えませんか

増えません。可動部と消耗品がなく、電源も薬剤も使わない構造です。フィルターや出口の点検は、これまでどおりの項目のままです。

工事でかん水を止める時間はどれくらいですか

1〜2時間です。配管を切ってつなぎ込み、接着剤が固まるまで水を通せないためです。全体は3時間〜半日で、かん水の予定を伺って日時を決めます。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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