この記事の結論
いまのハウスでニラの収量を上げるなら、株数は変えずに、1株の重さを増やし、刈ったあとの回復を早めることです。同じハウスを2つに分けてかん水の水だけを変えた試験では、株の重さが390g(ふだんの水は265g、約1.5倍)になり、茎が太く、収穫は通常より約4日早まりました。
10a・年11,000株・単価500円/kgで計算すると、売上の差は年687,500円(約47.2%)で、20Aの製品代と工事代(410,000〜430,000円・税抜)を1年目で上回ります。
ニラの反収を上げたい、株が軽くて単価に届かない、面積も人も増やせない。その条件のなかで株の重さに効くものを、グラム単位の実測値と売上の試算で並べました。
ニラの収量を決めている3つ
ご存じのとおり、ニラの反収は、1株の重さ、株数、年間の刈り取り回数の掛け算です。
株数は定植のときに決まり、作の途中では増やせません。刈り取り回数は、気温や作型に加えて、刈ったあとの株の回復の速さで変わります。
いまの圃場で手を入れやすいのは、1株の重さと回復の速さで、どちらも株の充実が土台になります。
株を重くする条件
見るところは3つです。根の量、葉のボリューム、そして茎の太さ。市場で評価されるのは葉と茎ですが、その育ち方には、光・温度・施肥とあわせて、根が養分と水をどれだけ取り込めるかが関わります。
ニラは刈り取りを繰り返す作物なので、刈ったあとに伸びてくる葉は、株に貯めてあった養分から作られます。根が張っていない株は、この貯め込みが追いつかず、次の刈り取りで軽くなります。
そのため、1回の刈り取りの重さだけを追うのではなく、刈ったあとの回復まで含めて条件を考えます。根の量は、その両方に関わっています。
かん水の水を変えて比べた試験の数字
ハウスを2つに分け、片方だけかん水の水を変えた試験があります。品種、定植日、施肥、かん水の量と時刻はそろえていて、変えたのは水だけです。
収穫時の株の重さは390gで、ふだんの水の区は265gでした。約1.5倍です。茎の太さと葉のボリュームも、水を変えた区が明らかに上回りました。
生育が早く、収穫は通常より約4日早くなっています。同じ資材と同じ人手で、この差が出たという結果です。
| 見たもの | かん水の水を変えた区 | ふだんの水の区 |
|---|---|---|
| 株の重さ | 390g | 265g |
| 茎の太さ | 明らかに上回る | — |
| 葉のボリューム | 明らかに上回る | — |
| 収穫の時期 | 通常より約4日早い | — |
出典:正規特約店 株式会社ライヴスの営業資料
くわしいご案内同じ面積と同じ人数で、収量を上げる|かん水の水を変えた圃場で起きたこと
収穫が約4日早いと、何が変わるか
1つは、次の刈り取りまでの間隔です。回復が早ければ、年間の刈り取りの段取りを組み替えられる可能性が出てきます。
もう1つは、出荷する時期です。数日の差で単価が動く時期があるなら、そこを狙える幅が広がります。
作業の山がずれることもあります。刈り取りと調製に人手が集まる日を分散できれば、同じ人数でも繁忙期を越えやすくなります。
10a・11,000株での売上の試算
10a(1,000㎡)に年間11,000株の条件で計算した例があります。株数が同じなら、株の重さが265gから390gに変わった分だけ、収穫量が増えます。
単価500円/kgなら、売上は1,457,500円から2,145,000円へ。約47.2%の増加です。差は687,500円になります。単価950円/kgの条件なら、年間で約130万円の増加という計算です。
設備の費用は、20Aなら製品代350,000円と工事費60,000〜80,000円で、合計410,000〜430,000円(税抜)です。単価500円/kgの試算でも、初年度の売上の差が設備の金額を上回る計算になります。株数と単価を自分の数字に置き換えて確かめてください。
| 条件 | ふだんの水 | かん水の水を変えた場合 | 差 |
|---|---|---|---|
| 株の重さ | 265g | 390g | +125g |
| 売上(単価500円/kg) | 1,457,500円 | 2,145,000円 | +687,500円 |
| 増加の割合 | — | 約47.2% | — |
| 売上(単価950円/kg) | — | — | 年間 約130万円の増加 |
出典:正規特約店 株式会社ライヴスの営業資料。10a(1,000㎡)・11,000株/年の条件。この表は計算の例です。ご自身の株数と単価を入れて確かめてください。
自分のハウスで1作試す手順
ハウスを2つに分けて、水だけを変えます。品種、定植日、施肥、かん水の量と時刻をそろえ、かん水のラインは区ごとに独立させます。
測るのは、刈り取りごとの株の重さ(区ごとに10株から20株)、刈り取りの日、茎の太さ、そして作の終わりの根の量です。刈り取りを重ねるので、回ごとの記録を残すと回復の速さも見えます。
効果を確かめるためのレンタル品があります。設備を買う前に、自分のハウスの数字を作れます。
設備の費用と工事
製品代は口径で決まります。20Aが350,000円(メーカー希望小売価格 498,000円)、25Aが600,000円(同 850,000円)、40Aが2,500,000円(オープン価格)。いずれも税抜の当社販売価格です。
工事費は仕上げで決まります。砂利・土が60,000〜70,000円、コンクリート・アスファルトが70,000〜80,000円、40A・50Aが150,000円程度(税抜)。石材やタイルの場所では、復元の費用が別に必要です。
通水を止めるのは1〜2時間、つなぎ込んだ接着剤が固まるまでの時間です。刈り取りの予定に合わせて日を決められます。電源も薬剤も要らず、毎年の支出はありません。保証は計10年です。
よくあるご質問
ニラの収量はどれくらい増えますか
同じハウスを2つに分けた試験では、株の重さが390gと265gで約1.5倍でした。土壌、水源、品種、作型で条件が違うため、自分のハウスで1作比べて数字を取るのが確かです。
株の重さはどう量りますか
刈り取ったものを株ごとに量ります。区ごとに10株から20株、端を避けて中央から選びます。刈り取りの回ごとに記録すると、回復の速さも読めます。
刈り取り回数は増えますか
刈り取り回数についての数字は持っていません。報告されているのは、株の重さ、茎の太さ、葉のボリューム、そして収穫が通常より約4日早くなったことです。回数は、自分の記録で確かめてください。
肥料は減らせますか
ニラの比較試験は施肥をそろえて行ったもので、肥料を減らせるかどうかの数字はありません。液肥を20%減らした試験環境で通常以上の生育が報告された例は、別の試験です。施肥を変えるなら、水を変えるのと同時ではなく、順番に変えてください。
費用はいくらかかりますか
給水管が20Aなら、製品代350,000円と工事費60,000〜80,000円で、合計410,000〜430,000円(税抜)です。農場全体の元栓のような40Aなら、製品代2,500,000円に、工事費150,000円程度が基準になります。
試してから決められますか
はい。効果を確かめるためのレンタル品があり、借りて試したうえで、株の重さと刈り取りの日の記録を見てから判断していただけます。
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