アパートの排水管清掃、その間隔は何で決まっているか

アパートの排水管清掃、その間隔は何で決まっているか

この記事の結論

高圧洗浄の「年1〜2回」という間隔は、よく挙げられる目安のペースで、その建物の汚れの付く速さを個別に測って出した数字ではありません。

間隔を本来決めているのは、配管に汚れが再び付着する速さです。この速さを緩やかにできれば、同じ間隔でも安全側に余裕が生まれ、間隔を延ばす検討材料になります。

排水管の高圧洗浄を、なぜその頻度でやっているのか説明できないオーナーさま向けに、間隔を決めている要因と、見直しの考え方を整理しました。

目次

高圧洗浄は「年1〜2回」と言われるが、その根拠は何か

排水管の高圧洗浄は、年1〜2回のペースで組んでいる建物が多く見られます。ただ、この回数は、その建物の配管の状態や使用量を測定して決めた数字ではなく、よく挙げられる目安のペースです。

目安のペースが、すべての建物に等しく当てはまるとは限りません。使用量の多い建物ではペースが足りないこともあれば、逆に十分すぎることもあります。

見積書や契約書に「年1回」とだけ書かれている場合、その根拠まで説明を求められることは多くありません。まずはその数字が、自分の建物のために決められたものか、標準のプランとして提示されたものかを確認するところから始めます。契約更新の面談は、この確認を切り出す自然な機会になります。次回の見積もりを取るときに、あわせて聞いておくとよいでしょう。担当者が変わっていても、記録が残っていれば話がスムーズです。

間隔を決めているのは、汚れが再び付着する速さ

洗浄の間隔を本来決めるべきなのは、洗浄した配管に汚れがどれくらいの速さで再び積もるか、という点です。この速さは、住戸数・使用量・配管の材質や勾配など、建物ごとの条件で変わります。

同じ間隔でも、再付着が速い建物では次の洗浄までに詰まりが起きやすく、遅い建物では余裕を持って迎えられます。目安の年1〜2回は、この速さを個別に測らないまま置かれた数字だと理解しておくと、見直しの判断がしやすくなります。

もう少し詳しく:再付着の速さを見る手がかり

洗浄を担当する会社に、前回の洗浄時と今回の洗浄時で、配管内部の汚れの厚みや詰まりかけの箇所がどう変わっていたかを聞いてみてください。厚みの進み方が緩やかであれば、間隔を延ばす余地がある建物だと判断する材料になります。

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洗浄のたびに払っている費用を、10年で数える

洗浄の間隔を延ばせれば、同じ期間にかかる洗浄の回数が減ります。たとえば年1回のペースを2年に1回まで延ばせれば、10年間の洗浄回数は10回から5回に減る計算です。

洗浄1回あたりの費用は建物の規模や配管の状態で幅があるため、ここでは金額を示しませんが、回数が半分になれば、10年間の総額も目安として半分に近づきます。あわせて、洗浄のたびに立ち会う管理会社さまの手間や、洗浄車両の駐車・案内といった付随の作業も、回数に比例して減っていきます。

間隔を延ばす側からの手当てもある

間隔を決めているのが再付着の速さである以上、その速さを緩やかにできれば、間隔を延ばす検討材料になります。マイナスに帯電したウルトラファインバブルが汚れの粒子に吸着し、配管の面に付く力を弱めるため、配管内壁への汚れの再付着が抑えられることが期待できます。

元栓に1台設置するタイプの設備であれば、建物全体の給排水管が対象になり、住戸ごとに工事する必要がありません。

清掃の頻度を減らす話であって、清掃を無くす話ではない

ここまでの話は、洗浄が要らなくなるという話ではありません。洗浄そのものは、これまでどおり必要です。変わるのは、その間隔を見直す判断材料が増えるという点です。

間隔を延ばせるかどうかは、実際に洗浄を担当する会社と、配管の状態を見ながら判断することになります。まずは、いまの間隔がどういう根拠で決まっているかを確認するところから始めてください。

築年数の古い建物ほど、間隔を急に延ばすのはおすすめできません。まずは現状の間隔を維持したまま、配管の状態の記録を数回ぶん取ってから、見直しを検討する順番が安全です。記録が少ないうちに間隔だけを延ばすと、判断の根拠が不十分なまま進めることになります。

よくあるご質問

高圧洗浄は本当に年1〜2回必要ですか?

建物によります。年1〜2回という数字は、よく挙げられる目安のペースで、その物件の使用状況や配管の状態を個別に測って決めた数字とは限りません。

間隔を延ばすと、詰まりのリスクは上がりませんか?

間隔を決めているのは、配管に汚れが再び付着する速さです。速さを緩やかにできれば、同じ間隔でもリスクは下がり、間隔を延ばす検討材料になります。

洗浄をやめてよいということですか?

いいえ。洗浄をなくす話ではなく、頻度を見直す検討材料を増やす話です。洗浄そのものは、これからも必要です。

この設備を入れれば、洗浄が要らなくなりますか?

要らなくなるとは言えません。汚れの再付着が抑えられることが期待できる、という位置づけです。

費用面ではどんな効果が見込めますか?

洗浄の間隔を延ばせれば、同じ期間で洗浄にかかる回数が減り、その分の総額も目安として下がる方向に働きます。

間隔を見直すタイミングは、いつがよいですか?

次の洗浄の契約を更新するタイミングが分かりやすい区切りです。前回までの記録を持ち寄って、洗浄を担当する会社と一緒に確認してください。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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