この記事の結論
断水のあとに水が濁るのは、水を止めて再び通したときに、管の中の水の流れの向きと速さが変わり、管の内側に積もっていた錆や砂、マンガンが舞い上がって流れてくるからです。白く濁るのは、管に入った空気が細かい泡になったものです。
多くは、透明になるまで流せば落ち着きます。何度も繰り返す建物では、管の内側に剥がれやすい錆が積もっているので、配管の状態を調べる段階です。
断水や水道工事のあとに濁った水が出て困っている方と、貯水槽の掃除や設備工事で断水を知らせる側の管理会社・オーナーさまに向けて、濁る仕組みと、通水のあとの流し方を並べました。
断水と通水で、管の中で起きること
ふだん給水管の中の水は、決まった向きに、使う量に応じた速さで流れています。管の内側に積もった錆や砂は、この流れに慣れた場所に落ち着いています。
断水で水を止めると、管の中の水が抜けたり、止まったりして、空気が入ります。そこへ水を通し直すと、はじめは空気を押し出しながら勢いよく流れ、ふだんと違う向きや速さの流れが生まれます。この流れが、落ち着いていた積もりものを動かします。
濁りのもとは、管の内側に積もっていたもの
道路側の工事による断水なら、配水管から来る黒や茶の濁りが多く、建物の貯水槽の掃除や設備工事による断水なら、建物の中の給水管から来る赤錆が中心になります。白い濁りは、コップに取って少し置くと、下から透明になっていきます。
| 濁りの色 | もとになっているもの |
|---|---|
| 赤・茶 | 鉄を使った給水管の内側で育った赤錆 |
| 黒 | 道路の配水管の内側に付いていたマンガン |
| 白 | 管に入った空気が細かい泡になったもの |
| 砂っぽい粒 | 工事で入った砂や、管の中の堆積物 |
どれくらいで落ち着くか
濁りは、動いた積もりものが流れきれば落ち着きます。自治体の案内でも、断水のあとの濁った水は飲用に使わず、透明になるまで流してから使うよう示されています。
落ち着くまでの時間は、断水していた範囲と、管の中にどれだけ積もっていたかで変わります。建物の中では、元栓や貯水槽に近い蛇口ほど早く澄み、遠い住戸や上の階、使う回数の少ない蛇口ほど時間がかかります。
流すにつれて濁りが薄くなっていくなら、動いた積もりものが流れ出ている途中なので、そのまま流し続けます。流しても色が変わらない、あるいは濃くなるときは、次の見出しで扱う「落ち着かないとき」に当たります。
くわしいご案内給水管の赤水・赤錆対策|更新・更生・延命の3つを費用と工期で比べる
通水のあとにやること(流し方の順番)
蛇口を開けると、はじめは空気が混じって勢いよく出ることがあります。少しずつ開けて、水の勢いが落ち着いてから大きく開けます。
- 最初は、給湯器を通らない水の蛇口を開ける。濁った水を給湯器に入れないため
- 戸建てなら屋外の散水栓か1階の蛇口、建物なら元栓や貯水槽に近い蛇口から先に流す
- 透明になったら、ほかの蛇口を順に開けて流す
- 浄水器は外すか、浄水に切り替えずに流す
- 洗濯機と食洗機は、水が澄むまで使わない
- 最後にお湯側を流し、給湯器を通った水も澄んでいるかを確かめる
落ち着かないときに考えること
しばらく流しても濁りが続く、いったん澄んでも翌朝にまた出る、というときは、動いた積もりものの量が多いか、管の内側から錆が剥がれ続けています。
1戸だけなら、その住戸の枝管か水栓の中にたまった分が考えられます。建物全体で続くなら、共用の給水管か貯水槽を疑います。道路側の工事が原因なら、工事を知らせた水道局や工事の窓口に連絡します。建物の設備が原因と見られるときは、管理会社さまかオーナーさまへ連絡してください。
断水のたびに繰り返す建物で起きていること
年に1回の貯水槽の掃除や、設備の工事で断水するたびに赤い濁りが出る建物では、鉄を使った給水管の内側に、剥がれやすい赤錆が厚く積もっています。ふだんは落ち着いていても、流れが変わるたびに剥がれて出てきます。
こうなると、流し方の工夫だけでは繰り返しが止まりません。管を替える更新、内面を樹脂で覆う更生、錆の性質を変える延命のどれかで、管の内側の状態に手を入れる段階です。
当社が扱う emiiR®(エミール)は、建物の給水元に付けて、そこから先の配管でもろい赤錆を緻密で剥がれにくい黒錆に変えていく装置です。電源も薬剤も使わず、変化は月の単位で進みます。
よくあるご質問
濁った水で手を洗ったり、トイレを流したりしてもよいですか
トイレを流すのに使うのは差し支えありません。手洗いや洗濯、飲用、調理には、透明になるまで流してから使います。
流した水の分の水道代は、どうなりますか
扱いは水道事業者ごとに違います。道路側の工事による濁りなら、工事を知らせた水道局の窓口に確かめてください。
お湯だけが濁ります
給湯器に濁った水が入った可能性があります。水の蛇口が澄んでいることを確かめてから、お湯側を流します。流しても濁りが続くなら、給湯器の点検を頼みます。
断水を知らせる側として、掲示に何を書けばよいですか
断水の日時に加えて、通水のあとに濁ることがあること、透明になるまで流してから使うこと、給湯器を通らない水の蛇口から先に流すことを書いておくと、問い合わせが減ります。
貯水槽の掃除のあとに毎回赤い水が出ます
建物の給水管の内側に剥がれやすい赤錆が積もっています。管の材質と肉厚を調べ、更新・更生・延命の3つを比べる段階です。
浄水器のカートリッジは、交換したほうがよいですか
濁った水を通してしまった場合は、目詰まりしていないかを確かめます。通したあとに水の出が落ちたり、においが気になったりするなら、浄水器の取扱説明書に沿って交換します。
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