この記事の結論
emiiR®(エミール)の効果が出る水かどうかは、水質検査表のpHの行で見分けられ、中性〜アルカリ性なら対象に入ります。あわせて全硬度・電気伝導率・塩化物イオンの3つの行を見ると、スケールがどれだけ付きやすい水か、冷却塔でどこまで濃くして運転できそうかが分かります。
温泉のような強い酸性の水は対象外です。4つの数字をお問い合わせの相談内容の欄に書いていただければ、対象に入るかどうかをお返しします。
水処理装置の説明に「水質によって効果が異なる」とあり、自分の設備の水がどうなのかを手元の水質検査表で確かめたい設備担当の方に向けて、見る行を名前で示します。
見るのは pH、全硬度、電気伝導率、塩化物イオンの4つ
水質検査表には、数十の行が並んでいます。スケールと水処理装置の話で見るのは、そのうち4つです。ほかの行は、飲み水としての安全を見るためのものが中心なので、ここでは読み飛ばしてかまいません。
水道水なら水道事業者が公表している検査結果、冷却塔なら水処理の業者の月報、井戸水なら施設で頼んだ検査の結果が、読む表になります。
表によって、同じ項目でも書き方が違います。硬度は「カルシウム、マグネシウム等(硬度)」、電気伝導率は「導電率」と書かれていることがあります。単位もmg/LとμS/cmのほかに、別の単位が使われている表があるので、行の名前と単位を一緒に写しておくと読み違えません。
| 行の名前 | 何が分かるか | 水道水の水質基準 |
|---|---|---|
| pH値 | emiiR® が働く水か(中性〜アルカリ性) | 5.8以上8.6以下 |
| 硬度(全硬度) | スケールの元の量 | 300mg/L以下 |
| 電気伝導率 | 溶けている成分の総量・濃縮の度合い | 基準項目ではない |
| 塩化物イオン | 濃縮の度合い・腐食の起きやすさ | 200mg/L以下 |
中性〜アルカリ性という条件を、検査表の数字で確かめる
emiiR® が働くのは、水が中性〜アルカリ性のときです。水道水の水質基準は5.8以上8.6以下で、水道水や一般的な冷却水は、多くがこの条件に入ります。
外れるのは、温泉のように強い酸性の水です。井戸水や工業用水、工程で薬品を使う水では、pHの行を先に見てください。冷却塔の水は運転中に濃くなってpHが上がることが多いので、補給水と循環水の両方の数字があると判断しやすくなります。
硬度が高い水では、何が起きるか
検査表の硬度の欄は、白い層の材料がどれだけ水に入っているかを示す行です。この欄の数字が大きいほど、温めたときや濃くしたときに出てくる白い層の量が増えます。
硬度が高いことは、emiiR® が働かない理由にはなりません。付く量が多い設備ほど、付き方が変わったときの差が記録に表れやすくなります。硬い水の設備では、落とす作業の周期が短くなっているはずなので、その周期の記録も一緒に見ます。
濃縮を上げたときに、どこまで耐えた例があるか
冷却塔では、水が蒸発して濃くなるほど、電気伝導率と塩化物イオン、硬度の数字が上がります。どこまで濃くして運転できるかが、捨てる水の量を決めています。
参考になるのは、emiiR® を付けた密閉式の冷却塔の記録です。原水のおよそ100倍まで濃くして回し、検査表の数字でいえば電気伝導率が約10,750μS/cm、塩化物イオンが約2,210mg/L、全硬度が約1,545mg/Lに達していましたが、付着も腐食も兆しが出ていませんでした。
この数字は、1つの設備で取れたものです。自分の設備でどこまで上げられるかは、同じ3つの数字を追いながら、デモの中で少しずつ確かめていきます。
温泉の配管を対象にしない理由
温泉の中には、pHが低い強い酸性の泉質があります。emiiR® は、この条件では効果が出ません。温泉の配管にはスケールが付きやすいのですが、泉質の幅が広く、酸性の泉質では働かないため、対象にしていません。
温泉の水と水道水を分けて使っている施設なら、水道水の側の給水・給湯には使えます。どの系統にどちらの水が流れているかを、配管図で確かめてから考えます。
検査表の数字をお知らせいただければ、こちらで読みます
pH、硬度、電気伝導率、塩化物イオンの4つの数字は、お問い合わせの相談内容の欄にそのまま書いていただけます。冷却塔なら、補給水と循環水の両方があると、濃縮の度合いまで読めます。
表の読み方が分からない行があったり、補給水と循環水の2枚を見比べてほしかったりするときは、検査表そのものをお預かりします。お問い合わせのあと、担当からメールでご連絡します。設備の写真や図面は、そのメールに添付してご返信ください。水質検査表のPDFや写真も、同じ返信に付けていただければ、行ごとに読んだ結果と、emiiR® が対象に入るかどうかをお返しします。
よくあるご質問
pHがいくつ以上なら使えますか
中性〜アルカリ性の水が対象です。水道水の水質基準(pH5.8以上8.6以下)に入る水道水や、一般的な冷却水の多くが入ります。温泉のように強い酸性の水では効果が出ません。
水質検査表がない場合はどうすればよいですか
水道水なら、水道事業者のホームページで給水区域ごとの検査結果が公表されています。井戸水や冷却水は、水処理の業者や検査機関に頼んで、4つの項目を測ってもらいます。
電気伝導率が高い水では使えませんか
使えます。電気伝導率が高いことは、使えない理由にはなりません。約10,750μS/cmまで濃縮しても付着や腐食の兆しが見られなかった例があります。自分の設備での上限は、数字を追いながら確かめます。
鉄分の多い水ではどうですか
鉄の配管から出る赤水であれば、減った測定例があります。給水の鉄分が約1mg/Lから1年後に約0.05mg/Lになった例で、赤錆が安定した黒錆に変わり、腐食が進みにくくなったためと考えられています。赤水が気になる場合は、鉄の行もあわせて見ます。
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