この記事の結論
emiiR®(エミール)のメンテナンスフリーは、装置そのものについては本当です。emiiR® はステンレスの筒とセラミックスの玉だけでできていて、動かす機械部品も電源もフィルターも薬剤もなく、玉は互いにこすれ合って自分で洗われるので、交換や補充をする部品がありません。
冷却塔では、冷却水の水質と運転条件が季節で変わるので、装置とは別に保守点検のサービスを用意しています。殺藻剤と冷却塔の清掃も、これまでどおり続けます。
メンテナンスフリーと書かれた水処理装置を見て、本当に何もしなくてよいのか、あとから費用がかからないのかを確かめたい設備担当の方に向けて、その根拠を構造から説明します。
替えるものが無いのは、部品が動かないから
ご存じのとおり、設備の手入れの多くは、動く部品と減っていく部品のためにあります。ポンプのシール、弁の座、モーターの軸受、フィルターのろ材、薬剤は、決まった周期で替えることになります。
emiiR® は、ステンレスの筒と、その中のセラミックスの玉だけでできています。モーターも弁も、ろ材も薬剤もありません。玉は動きますが、動かしているのは配管を流れる水で、玉を動かす機械の部品はありません。替える前提の部品がないことが、メンテナンスフリーの1つ目の根拠です。
セラミックスは、なぜ減らないのか(高温焼成による強度)
何年も水の中で衝突を繰り返せば、角が取れて粒が小さくなるはずだ、と考えるのは自然です。この玉は粘土鉱物を窯で焼き締めた焼成体で、原料の粘土とは別物の硬さを持ち、流れの中でぶつかり合っても削れにくい強度があります。
粘土を焼いた器が、洗っても形が変わらないのと同じ理屈です。焼き固めることで、粘土がもともと持っていたイオンを交換する力もなくなっているので、使っているうちに何かを吸い込んで性質が変わる、ということもありません。
玉が減らず、性質も変わらないので、補充や入れ替えの予定を組む必要がありません。
自分で洗われる構造(流動衝突)
水の中に置いたものは、ふつうは表面に何かが付いて、働きが落ちていきます。止まった材料の層なら、表面が汚れで覆われ、水が触れる面が減っていきます。
emiiR® の玉は、水の勢いで浮いて動き回り、互いにぶつかり、こすれ合っています。表面に何かが付こうとしても、隣の玉にこすられて落ちていきます。大きい玉が小さい玉をこすって洗う組み合わせは、特許第7578981号として登録されています。この自分で洗われる構造は、すべての型式に共通しています。
フィルターが無いので、詰まるものが無い
浄水器や軟水器は、水から何かを取り除いたり入れ替えたりするので、取ったものがたまり、いずれ詰まったり飽和したりします。ろ材の交換や、塩水での再生が要るのはこのためです。
emiiR® は水から何も取らないので、中に何もたまりません。玉のあいだのすき間は、玉が動くたびに形を変えるので、目が詰まることもありません。取り付ける場所が給水の側、つまりきれいな水の側であることも、固形物が入り込まない理由です。
電源が無いので、止まるものが無い
電気で動く装置には、制御盤、基板、配線があり、年数とともに故障が出てきます。停電のあとに立ち上げ直す手間や、部品の供給が終わって装置ごと替える判断も、いずれ回ってきます。
emiiR® は電源を使わないので、この種の故障が起きません。水が流れていれば働き、止まれば玉が沈んで休み、流れ出せばまた動き出します。点検の予定表に、電気の部品の項目が載りません。
| よくある手入れ | なぜ要るか | emiiR® では |
|---|---|---|
| 部品の交換 | 動く部品が摩耗する | 動かす機械部品がない |
| ろ材・樹脂の交換や再生 | 取ったものがたまる | 何も取らない |
| 薬剤の補充 | 水と一緒に出ていく | 薬剤を使わない |
| 制御盤の点検・修理 | 電気の部品が故障する | 電源を使わない |
| 材料の補充 | 使うほど減る | 玉は高温焼成ですり減りにくい |
玉が動いているかは、のぞき穴で確かめられる
手入れの部品がなくても、装置が働いているかを確かめる方法はあります。emiiR® の筒には中の玉が見えるのぞき穴があり、無償デモの期間中は、週に1回ほど玉が動いているかを見ていただいています。
見る側に特別な知識は要りません。窓の向こうで粒が躍っていれば正常、底に沈んでじっとしていれば、通る水が細っている合図です。そのときは当社にご連絡いただければ、流量とバイパスの弁の開き方を一緒に確かめます。
冷却塔の用途では、別に保守点検のサービスがある
装置そのものに手入れは要りませんが、冷却塔は水が空気と日光に触れ、蒸発で濃くなっていく設備です。冷却水の水質と運転の条件は、季節や使い方で動きます。
そこで冷却塔に付ける場合だけは、筒の手入れとは切り離して、冷却水そのものを見る保守点検のサービスをご用意しています。濃さやpHの推移、運転時間の変化を追い、ブローの設定がいまの水に合っているかを確かめるものです。殺藻剤と冷却塔の清掃は、これまでどおり続けます。
給水管やトイレの給水系統に付ける用途では、この保守点検はありません。保証は設置後10年で、10年後に検査を受けるとさらに10年延長されます。
よくあるご質問
本当に何年も手入れなしで使えますか
装置そのものについては使えます。交換部品・電源・薬剤・ろ材がない構造なので、手入れの項目がありません。玉が動いているかは、のぞき穴から確かめられます。
玉が動いていなかったらどうすればよいですか
当社にご連絡ください。流量が足りないか、バイパスの弁の開き方が合っていないことが考えられるので、一緒に確かめて調整します。
冷却塔の保守点検は必ず契約が要りますか
いまの水処理の管理の体制に合わせて、要否をご相談いただけます。装置の手入れのためではなく、冷却水の水質と運転条件を確かめるためのサービスです。成果報酬型では、メンテナンスと点検の費用が含まれます。
装置の中が汚れて、水が汚れることはありませんか
汚れがたまりにくい構造です。玉は互いにこすれ合って自分で洗われ、水から何も取らないので、中に汚れがたまりません。給水系統向けの型式は、水に有害な物質が溶け出さないことを日本水道協会の認証Z-372で確かめています。
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