セラミックスで水を処理するとはどういうことか|筒の中で起きていること

セラミックスで水を処理するとはどういうことか|筒の中で起きていること

この記事の結論

セラミックスで水を処理するとは、焼き固めたセラミックスの玉を詰めた筒に水を通し、水の流れで玉を動かしながら水と触れさせて、スケールの成分が硬い結晶として固着しにくい状態にすることです。水から何も取らず、何も足さないので、水の成分は通る前と変わりません。

玉は高温で焼いてあるのでイオン交換の力はなく、軟水器とは働きが違います。玉どうしがぶつかり合って表面が自然に洗われるため、交換や補充の要らない構造になっています。

セラミックスを使った水処理装置と聞いて、筒の中に何が入っていて、水に何をしているのかを知りたい方に向けて、emiiR®(エミール)の中身を順に説明します。

目次

筒の中に入っているのは、焼き固めたセラミックスの玉

emiiR® の本体は、SUS304またはSUS316のステンレスでできた筒です。中には特殊なセラミックスの玉が、筒の容積の約半分まで入っています。残りの半分は、玉が動くための空間です。

水は筒の下から入り、上から出ていきます。玉は水の勢いで持ち上げられ、筒の中で浮いたり沈んだりを繰り返します。止まった玉の層を水がくぐり抜けるのではなく、動いている玉のあいだを水が通っていく作りです。

外から見ると、配管の途中に立っている筒が1本あるだけです。モーターも弁もなく、動いているのは中の玉だけです。

原料はモンモリロナイト系の粘土鉱物

玉の原料は、モンモリロナイト系の粘土鉱物です。モンモリロナイトは、薄い板のような結晶が重なった粘土で、身近なところでは土壌や焼き物の原料にも含まれています。

粘土のままでは水に触れるとふやけて崩れます。これを成形して高温で焼き、硬い玉にしたものが、筒の中に入っています。焼くことで、粘土がもともと持っていた性質の一部が失われます。

高温で焼くと、イオン交換の力は失われる

粘土鉱物には、もともと陽イオンを取り込んだり放したりする力があります。陽イオン交換容量と呼ばれる性質で、土が肥料の成分を抱えておけるのはこの力のおかげです。

emiiR® の玉は高温で焼かれていて、この力は失われています。水の中のカルシウムやマグネシウムを取り込むことも、代わりに別の成分を放すこともありません。玉を通ったあとの水の成分は、通る前と同じです。

だから軟水器とは別のもの

軟水器は、樹脂の粒にナトリウムを抱えさせておき、通る水のカルシウムやマグネシウムと入れ替えます。水の硬さそのものを下げる装置で、樹脂がいっぱいになったら塩水で元に戻す作業が要ります。

emiiR® は成分を入れ替えないので、塩の補充も、樹脂を戻す作業もありません。水の硬さはそのままで、硬さの成分が出てくるときの出方のほうを変えます。

軟水器 emiiR®
中に入っているもの イオン交換樹脂 焼き固めたセラミックスの玉
水の成分 カルシウムなどを入れ替えて減らす 変えない
続く作業 塩の補充と樹脂の再生 なし
働き方 硬さの成分を取る 硬さの成分の出方を変える

くわしいご案内emiiR®(エミール)について

玉が流動すると、水と接触する面が増える

玉が動いていると、玉の表面のあらゆる向きが水に触れます。止まって詰まった層だと、水は通りやすい道だけを選んで流れ、触れない面が出てきます。動かしておくのは、水と玉が触れ合う面をむらなく使うためです。

玉が浮いて動くには、筒を通る水に一定の速さが要ります。目安は秒速10〜12cmです。装置の大きさは、この速さが出るように、通る水の量から決めています。

玉同士がぶつかるので、自分で洗われる

水の中で動く玉は、互いにぶつかり、こすれ合います。表面に何かが付こうとしても、隣の玉にこすられて落ちていきます。フィルターのように汚れをためる仕組みではないので、目が詰まることもありません。

この自分で洗われる構造が、交換部品のない装置として成り立っている理由です。無償デモの期間中は、筒ののぞき穴から玉が動いているかを週に1回見ていただきます。

減らない理由(機械的強度)

ぶつかり合うなら、玉がすり減っていかないかが気になります。高温で焼き固めた玉は機械的な強度が高く、水流の中での激しい衝突にもすり減りにくい作りです。

玉が減らないので、補充や入れ替えの予定を組む必要がありません。製造元のエミール・ジャパン株式会社は、設置後10年の製品保証を付けていて、10年後に検査を受けるとさらに10年延長されます。

大きさを2種類混ぜている理由

空調の冷却水は、季節や時間帯で流れる量が変わります。玉が1種類だけだと、流量が少ないときは玉が動かず、多いときは動きすぎる、ということが起きます。

emiiR® では、直径3mmの玉と6mmの玉を混ぜて入れています。小さい玉は少ない流量でも浮いて動き、大きい玉は流量が多いときに小さい玉をこすって洗い、重石の役もします。この組み合わせは特許第7578981号として登録されています。

流量が変わる設備で使うなら、流量の幅をお知らせください。最小と最大の流量から、合う型式をお出しします。

よくあるご質問

セラミックスから水に何か溶け出しませんか

給水系統向けの型式は、水に有害な物質が溶け出さないことを、日本水道協会の認証(Z-372)で確かめています。この認証が確かめているのは、水圧に耐えることと、飲む水に触れさせて安全かの2つです。

玉の入れ替えは必要ですか

必要ありません。高温で焼き固めた玉は強度が高く、衝突ですり減りにくい作りです。導入後に玉を足したり替えたりする作業はありません。

どんな水でも働きますか

中性〜アルカリ性の水で働きます。温泉のように強い酸性の水では効果が出ません。水質検査表のpHで確かめられます。

セラミックスボールの浄水器とは違うものですか

違うものです。浄水器は水から成分を取り除きますが、emiiR® の玉は成分を取らず、足しもしません。塩素も取らないので、給湯器などにもそのまま使えます。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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