この記事の結論
地下水は地中で空気に触れる機会が少なく、溶存酸素(水に溶けている酸素)が少ない傾向があります。夏は水温が上がって水に溶けていられる酸素がさらに減り、根の呼吸量は増え、かん水の回数が増えて培地が過湿になりやすいため、この3つが重なって根が傷みやすくなります。
まずかん水の出口で水温と溶存酸素を測り、1回の量を減らして回数を増やすなど、培地が水で埋まったままにならない設計に変えるのが先です。
地下水を水源にしているハウスで、夏になると根の色が変わる、勢いが落ちる、株が抜ける。病原菌の話の前に、水の物理条件から見直す順番をまとめました。
夏に根が傷む3つの条件
1つめは水温です。培地とかん水の水の温度が上がると、水に溶けられる酸素の量が減ります。2つめは根の呼吸で、温度が上がるほど酸素を使う量が増えます。
3つめが過湿です。夏はかん水の回数が増えるため、培地が飽和している時間が長くなります。すき間の空気が押し出されている状態です。
この3つは、夏に同時に起こります。だから夏の根の傷みは、どれか1つの原因ではなく、重なった結果として現れます。
この3つは、どれも測れます。培地の温度、かん水の水温と溶存酸素、そしてかん水のあとに水が引くまでの時間です。
地下水の溶存酸素
地下水は、地中で空気に触れる機会が少ないまま汲み上げられるため、溶存酸素が低い側に寄ります。同じ水源でも、水温と汲み上げてからの時間で数字が変わるため、測るときは条件をそろえます。
この水をそのままかん水に使うと、根のまわりに届く酸素は、水からはあまり足されません。培地のすき間の空気に頼ることになるため、すき間が水で埋まっている時間の長さが影響します。
溶存酸素計で、かん水の出口の水を朝と日中に測ると、自分の水源の幅が分かります。水温も一緒に記録すると、夏の落ち込みが数字で見えます。
酸素が足りないときに、根で起きること
ご存じのとおり、根は呼吸で得たエネルギーを使って養分を取り込んでいます。酸素が足りないと、その力が落ちます。水があるのに水が上がらない、施肥を増やしても葉色が戻らないという状態は、ここから来ていることがあります。
先端の細い根から働きが落ちます。細根は表面積の大半を担っているので、ここが減ると吸水量が一気に落ちます。日中にしおれて、夕方に戻るという動きが出やすくなります。
くわしいご案内井戸水でハウスをやるときの、水の話|鉄・マンガン・硬度・酸素
根腐れが出る前の兆候
根腐れの兆候は、日中のしおれ方、新しい葉の出方、根の色の3か所で確かめます。地上部の変化は根の変化より遅れて表れるため、しおれに気づいた時点で根の傷みが進んでいることがあります。
| 見るところ | 兆候 | そのとき疑うこと |
|---|---|---|
| 日中の株 | しおれて夕方に戻る | 吸水量の不足(細根の減り) |
| 新しい葉 | 出る速さが落ちる、小さい | 根の働きの低下 |
| 根の先 | 白い細根が減る、褐色に変わる | 過湿と高温の重なり |
| 培地 | かん水後に水が引かない | すき間の空気が抜けている |
| 排液 | においが変わる | 培地の中で酸素が切れている |
かん水の回数と量の設計
夏は1回の量を減らして回数を増やします。同じ日量でも、飽和している時間が短くなり、すき間に空気が戻る回があるほうが、根への負担が小さくなります。
時刻も影響します。気温が上がる前に済ませ、日中の高温時に培地を飽和させないようにします。日中に配管に溜まった水は温まっているので、最初に出る分をどれだけ捨てるかを決めておきます。
培地の排水性も同時に見ます。水が引かない培地では、回数を増やすほど過湿の時間が伸びてしまいます。
回数を増やすときは、1回の量を先に決めます。量を決めずに回数だけ増やすと、日量が膨らんで過湿の側に振れます。
UFB DUAL® で見直せること
UFB DUAL® は、水道の水圧だけで、水に溶け込んでいる空気を直径1マイクロメートル未満の泡(ウルトラファインバブル)にします。泡は浮き上がらず、水の中を長くただよいます。かん水の水に含まれた状態で、根のまわりまで運ばれます。
ウルトラファインバブルを含む水では、発根と初期生育の後押しが研究で報告されています。正規特約店 株式会社ライヴスの資料でも、溶存酸素の少ない地下水を使うハウスは、差が出やすい環境に挙げられています。
酸素そのものを足す装置ではありません。酸素・二酸化炭素・オゾンを添加する仕組みは当社では扱っておらず、扱うのは水に溶けている空気から作るウルトラファインバブルです。
確かめ方
記録するのは4つです。かん水の出口の水温と溶存酸素、日中のしおれ方、新しい葉の出る速さ、そして作の終わりの根の状態です。
比べるなら、同じハウスを2つに分けて、水だけを変えます。品種・定植日・施肥・かん水の量と時刻をそろえれば、夏の乗り切り方の差として読めます。
効果を確かめるためのレンタル品があります。夏の1作で試して、記録を取ってから判断していただけます。
よくあるご質問
根腐れの病原菌に効きますか
効きません。病原菌を減らす装置ではないので、防除の計画は変わりません。見直せるのは、水温・酸素・過湿という物理の条件と、かん水のラインの内側への汚れの付き方です。
地下水の水温は下げられますか
UFB DUAL® では下げられません。配管の日射を避ける、貯水タンクを遮光する、かん水の時刻を朝に寄せるといった段取りで対処します。
溶存酸素はどのくらい測ればよいですか
同じ出口で、朝と日中の2回、水温と一緒に記録します。夏と冬で幅が出るので、季節ごとに数日ぶん取ると自分の水源の傾向が見えます。
井戸ポンプの水圧が低くても使えますか
使えます。低い水圧でも泡が生成される構造で、減水率は約5%です。いまのかん水の量と時刻の設定は、そのまま使えます。
夏だけ使うことはできますか
取り付けたまま通年お使いいただく形です。電源も薬剤も要らず、可動部と消耗品がないため、季節で切り替える操作も必要ありません。保証は計10年です。
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