この記事の結論
攻めは入居の決まりやすさを上げる投資、守りは想定外の支出を減らす投資です。1つの設備で両方を兼ねられるのは、募集で説明できる材料になり、毎年の支出(電源・薬剤・消耗品・点検)を増やさず、戸数が増えても台数が増えず、やめるときに費用がかからない、の4条件を満たすものです。
元栓直下に1台付けて全戸の水をウルトラファインバブル(直径1マイクロメートル未満の泡)を含む水にする設備は、募集図面に「全戸の水が対象」と書ける攻めの材料になり、配管や排水口に汚れが付きにくくなることで、詰まりの対応や原状回復の手間を減らす守りにもなります。
設備投資が攻めと守りのどちらに役立っているのか分からない、というオーナーさま向けに、分け方と、両方を兼ねるかどうかの確かめ方を整理しました。
攻めと守りを、変わる数字で分ける
言葉のままでは判断できないので、どの数字が変わるかで分けます。分け方は表のとおりです。
| 分け方 | ねらい | 変わる数字 | 成果の見方 |
|---|---|---|---|
| 攻め | 決まりやすさを上げる | 内見の件数、募集から契約までの日数、更新の割合 | 同じ間取りの前回と比べる |
| 守り | 想定外の支出を減らす | 修繕の起票の数、原状回復の見積もり、毎年の固定費 | 1年ごとに件数と金額を分けて数える |
もう少し詳しく:多くの物件は、どちらかに寄っている
募集のための工事ばかり続けていると、毎年の固定費が増えて守りが薄くなります。修繕ばかり続けていると、決まりやすさが上がらないまま年数が過ぎます。
どちらに寄っているかは、退去の理由と修繕の起票を1年分読めば分かります。読むだけなら費用はかかりません。
攻めと守りを兼ねるかを、4つの条件で確かめる
1つの投資が攻めと守りの両方を兼ねるかどうかは、表の4つで確かめられます。
| 条件 | 確かめ方 | この設備の場合 |
|---|---|---|
| 収入の側の材料になるか | 募集図面と内見で説明できるか | 設備欄とフリーコメントに書ける |
| 毎年の支出を増やさないか | 電源・薬剤・消耗品・点検の有無を見る | どれも要らない |
| 戸数が増えても台数が増えないか | 建物単位で入るか、戸ごとに置くかを見る | 元栓型1台 |
| やめるときに費用がかかるか | 撤去や返却の条件を見る | 買い切りなので、契約が続かない |
もう少し詳しく:2つめと3つめを満たすものは少ない
入居者さまに配るものは、戸数の分だけ管理の対象が増えます。装置として置くものには、電源と定期の点検が必要になります。この2つを同時に外せる形が、元栓型1台という置き方です。
攻めの側で、何が材料になるのか
募集で言えるのは、対象の範囲です。元栓直下に1台付けると、その建物で元栓を通る水がすべて対象になります。台所、洗面、浴室、洗濯機まで、蛇口をひねるだけで出ます。
入居者さまに操作も手入れも頼まないので、説明が1行で済みます。使い方の説明書を各戸に配る必要も、故障したときの連絡先を伝える必要もありません。
近隣が同じことをするには工事が要ります。設備欄に1行足すだけでは並べられないので、差が続く時間が長くなります。
くわしいご案内賃貸の設備投資は何年で回収できるか|水回りの設備で計算してみる
守りの側で、何が減るのか
減るのは、読めない支出の種類です。電源を引かないので電気代がかからず、薬剤を使わないので発注と在庫の管理が要りません。消耗品とフィルターがないので、交換の予定を組まなくてよくなります。
給排水管の内側でも、汚れが付きにくくなり、すでに付いている汚れが少しずつ剥がれていくことで、詰まりや赤い水についての入居者さまからの連絡が減ることが期待できます。連絡が減れば、夜間の呼び出しや業者の立ち会いも減り、管理会社さまがほかの物件に手を回せるようになります。
退去のときも同じです。水回りのぬめりが出にくい状態なら、原状回復で指摘される材料が減り、次の募集を早く出せることにつながります。
金額と、1戸あたりに割ったときの見え方
口径は戸数ではなく、建物に引き込まれている給水管の太さで決まります。引き込み管が20mmなら20Aで350,000円(メーカー希望小売価格498,000円)、工事費 50,000円〜80,000円を足すと合計 400,000円〜430,000円です。税抜です。
口径別・戸数別の金額は、設備投資の回収年数をまとめた記事でご覧いただけます。
50A は 3,500,000円(メーカー希望小売価格の設定がないオープン価格)、総額 3,650,000円です。50戸なら1戸あたり約73,000円、80戸なら約45,600円です。保証は計10年です。メーカー保証2年に、筆頭正規特約店 株式会社ライヴスの延長保証8年を足したものです。窓口は当社ひとつです。
攻めと守りを、同じ年に重ねない
攻めの工事と守りの修繕が同じ年に重なると、資金の計画が苦しくなります。どちらかを先に延ばせるかどうかを、早い段階で分けておいてください。
延ばせないのは、漏水や詰まりのように起きてしまったものです。延ばせるのは、募集のための内装の更新のように、時期を選べるものです。
元栓型1台の設備は、延ばせる側に入ります。満室のままできる工事なので、退去の時期を待つ必要がありません。空室が出るのを待たずに、資金の都合がついた年に入れられます。
設備投資の外にあること
立地と間取りは変わりません。駅からの距離も、部屋の広さも、設備投資の対象外です。
空室の出方そのものは、立地や入居者さまの事情でも変わります。数えられるのは、起きたときに出ていく金額と、毎年かかる費用の項目の数です。
毎年かかる費用の項目を増やさずに打てる一手として、元栓型の UFB DUAL® があります。電源も消耗品もなく、10年の保証の窓口は当社ひとつです。戸数と引き込みの口径をお問い合わせのときにお知らせください。
よくあるご質問
攻めと守り、どちらを先にやるべきですか
いまどちらに寄っているかで決まります。募集のための工事が続いて固定費が増えているなら守りから、修繕が続いて決まりやすさが上がっていないなら攻めからです。退去理由と修繕の起票を1年分読むと判断できます。
買い切りと月額では、何が違いますか
毎年の支出が続くかどうかが違います。買い切りなら本体と工事費を1回払うだけです。月額の表示で示されているものは、年数を掛けて総額にしてから比べてください。
戸数が増えると台数も増えますか
増えません。建物への引き込みが1系統なら1台で、系統が分かれている建物では系統ごとに1台になります。
工事は満室のままできますか
できます。作業は敷地内の水道メーターの周りだけで、各戸への立ち入りはありません。直結給水の建物では、配管をつなぐ接着剤が固まるまでの1〜2時間だけ断水します。受水槽のある建物では、工事のあいだも、受水槽に貯まっている水があるうちは、入居者さまはふだんどおり水を使えます。最後に共用部で通水確認をして、お引き渡しします。
回収は何年で見ますか
たとえば引き込み管が40mmで32戸、家賃80,000円の建物(40A、総額2,650,000円)で、1年に8室が入れ替わり、それぞれ空室期間が1か月ぶん短くなるなら、年640,000円で約4.1年です。ご自身の家賃、平均の空室期間、修繕の起票の数に置き換えてください。
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