この記事の結論
総会に出す配管の議案は、現状、調査の結果、選択肢(更新・更生・延命)、費用・工期・水が止まる時間帯・住戸への立ち入りの4点、推奨とその理由、資金、決議していただきたい内容の順に並べると、質問で止まらずに決議まで進みます。
反対意見は、金額、いまやる必要があるか、工事中の生活への影響の3つに分かれるので、それぞれの答えを資金の頁、調査の結果、工程表に置いておきます。説明会は議案を送る前に開き、出た質問に議案書の中で先に答えます。
給水管の工事や延命を総会に諮る管理組合の理事さま・理事長さま、資料を作る管理会社のご担当者さまに向けて、資料の中身と順番を整理しました。
反対の中身は、3種類に分かれます
反対意見は「高い」の一言に見えて、中身は3つに分かれます。金額そのもの、いまやる必要があるのか、そして工事のあいだの生活です。
この3つは、答えを置く場所が違います。金額は資金の頁、必要性は調査の結果、生活は工期と立ち入りの頁です。どれか1つが欠けていると、その話だけで時間が流れて決議に届きません。
資料は、この順番で並べます
3つの選択肢を費用と工期で並べた表は、親記事にあります。議案書にはその表を、自分の建物の数字に置き換えて載せてください。
- 現状:いつから、どの住戸で、どんな症状が出ているか。受付の記録と写真
- 調査の結果:系統ごとの肉厚と内面の状態。替えないと何が起きるのか
- 選択肢:更新・更生・延命の3つと、外した選択肢の理由
- 4つの軸:費用、工期、水が止まる時間帯、住戸への立ち入り
- 推奨と、その理由:なぜこの順番で進めるのか
- 資金:積立金の残高、足りない額、借入や一時金の選択肢
- 決めていただきたいこと:決議の文言と、上限額
議案書に入れる項目と、必ず聞かれること
| 入れる項目 | 総会で聞かれること | どこから取るか |
|---|---|---|
| 現状の記録 | いつから、どの住戸で出ているのか | 管理会社さまの受付記録、写真、採水の記録 |
| 調査の結果 | いまやらないと、どうなるのか | 抜管調査・内視鏡の報告書 |
| 選択肢と外した理由 | ほかに手はないのか | 範囲をそろえた見積もりと、選択肢ごとの条件 |
| 費用と資金 | 積立金で払えるのか、いくら足りないのか | 長期修繕計画と、積立金の残高 |
| 工期と、水が止まる時間帯 | 仕事を休まないといけないのか | 見積もりに付いてくる工程表 |
| 住戸への立ち入り | 部屋に入るのか、何日入るのか | 工事の範囲(共用部だけか、専有部まで) |
| 保証 | 終わったあと、誰が見るのか | 工事の保証年数と対象、機器の保証年数 |
くわしいご案内修繕積立金が足りないまま、給水管をどうするか|先送りする期間に打てる手
説明会は、議案を送る前に開きます
議案書を送ったあとに説明会を開くと、出てきた質問を議案に反映できません。順番を逆にして、説明会で集めた質問を議案書の中で先に答える形にします。
説明会には、調査をした会社か、工事の見積もりを出した会社に同席してもらうと質問が止まりません。専門の質問に理事が答えなくてよくなり、理事会の負担も下がります。
反対意見への向き合い方
反対を消すのではなく、資料のどこに答えがあるかを示します。金額の話なら資金の頁、必要性なら調査の報告書、生活の話なら工程表と立ち入りの表です。
その場で答えられない質問は、答えられないまま持ち帰ってよいものです。次の理事会までに確かめて、議事録に質問と回答をそろえて残せば、次の代も同じ質問に一から向き合わずに済みます。
決議の要件は、規約で確かめます
給水管の工事が普通決議で足りるのか、特別決議が要るのかは、工事の内容と管理規約の定めで変わります。管理規約を確かめたうえで、管理会社さまか専門家に確認してください。
決議の文言には、上限額と、上限を超えたときの扱いを入れておきます。開けてみて分かる追加がある工事では、ここが無いと工事が止まります。
当日の説明の順番と、議事録に残すこと
当日は、現状、選択肢、推奨、資金、決めていただきたいことの順で話します。仕組みの説明から入ると時間が足りなくなるので、技術の説明は資料に置いて、質問が出たときに開きます。
議事録には、決議の内容、条件(上限額と範囲)、採用した見積もりの範囲、そして次の見直しの時期を残します。この4つが残っていれば、理事が交代しても判断の理由が引き継がれます。
延命を議案にするときの書き方
当社が扱う emiiR®(エミール)を議案に載せる場合、書くのは、設置する場所(受水槽式なら受水槽に入る手前、直圧式なら水道メーターのすぐ建物側)、工期(3時間〜半日程度)、水を止める時間(1〜2時間程度。受水槽式なら各戸は止まらない)、住戸への立ち入りがないこと、保証は設置後10年で10年後に検査を受けるとさらに10年延びること、そして更新の時期を後ろにずらすための手であることです。
金額はお見積もりでお伝えします。製品代と工事代を明らかにし、お見積もりで提出した以上の金額はいただきません。議案には上限額として載せていただく形になります。
よくあるご質問
議案は誰が作るのですか
理事会が決め、管理会社さまが書式に落とす形が一般的です。調査の結果や工事の条件は、調査をした会社や見積もりを出した会社から資料をもらって差し込みます。延命の部分には、当社のお見積もりと、この記事に挙げた工期・水を止める時間・保証の数字を差し込めます。
見積もりは3社そろえないといけませんか
決まりがあるわけではありませんが、選択肢を比べた記録が残るので、反対への答えになります。社数より、対象の範囲を同じ条件でそろえることが、比べるうえでの要点です。
調査だけを先に決議できますか
調査と工事を分けて諮る進め方はよく取られます。金額の桁が小さく、結果が出てから工事の議案を作れるので、議論が具体的になります。決議の分け方は管理規約に沿って管理会社さまと決めてください。
反対が多くて決まらないときは、どうしますか
反対の中身を3つに分けて記録してください。金額、必要性、生活への影響のどれで止まっているかが分かれば、次の議案で埋める頁が決まります。先送りする場合も、その期間に配管の側で打てる手は残ります。
延命だけを議案にしてもよいのですか
構いません。更新の時期を後ろにずらす目的の議案として、設置場所、工期、水を止める時間帯、住戸への立ち入り、保証年数を並べます。更新の議案は、調査の結果が出たあとに別で諮る形になります。
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