この記事の結論
emiiR®(エミール)のおもなデメリットは、効果が出るのが中性〜アルカリ性の水に限られ、温泉のような強い酸性の水では効果が出ないことと、冷却塔では殺藻剤を続けるため、薬剤費が0円にはならないことです。
ほかに、すでに付いた硬いスケールは脆くなってから剥がれるので変化が見えるまで時間がかかること、密閉式の冷却塔では散水ポンプの系統ごとに付けるので台数が増えることがあること、井戸水など水道料金の安い施設では上下水道料金の削減が小さくなることがあります。
emiiR®(エミール)の導入を考えていて、導入する前に弱いところを知っておきたい設備担当・決裁者の方に向けて、条件をひとつずつ書きました。
効果が出るのは、水が中性〜アルカリ性のとき
emiiR® は、水の中の成分が結晶として出てくるときの出方を変える装置です。この働きが出るのは、水が中性〜アルカリ性のときに限られます。温泉の泉質のように強い酸性の水では効果が出ません。
水道水や、一般的な空調用の冷却水は、この範囲に入ります。井戸水や工業用水を使っている設備、薬品を扱う工程の水では、水質検査表のpHの行で先に確かめます。検査表がない場合は、検査をしてから考えるのが確かな順番です。
殺藻剤は、これまでどおり続ける
冷却塔で減らせるのは、スケールを抑える薬剤の側です。藻とバイオフィルムを抑える殺藻剤は続けます。薬剤費は小さくなりますが、0円にはなりません。
emiiR® は、レジオネラ対策の基本となるバイオフィルムの抑制を後押しします。ただ、菌そのものに働きかける装置ではないので、殺菌・消毒は殺藻剤と衛生管理で行う前提です。冷却塔の清掃の予定も、これまでどおり組みます。
変化が見えるまでには時間がかかる(既存のスケールは、脆くなってから剥がれる)
薬品で溶かすときのように、取り付けた日から層が消えていくことはありません。新しく付く量は数か月のうちに変わり始めますが、既に付いている硬い層は、時間をかけて脆くなってから剥がれていきます。
当社が行った冷却塔の実証では、10年以上たまっていたと思われる強固なスケールが、指で剥がれる状態になりました。ここまで来るには時間がかかります。効率が大きく落ちている熱交換器や、詰まりかけている配管は、先に一度落としてから導入するほうが早く楽になります。
剥がれ始めると、下部の水槽やストレーナーに細かい粒がたまります。変化の出る時期は、その掃除の頻度を上げておきます。
密閉式の冷却塔では、付ける場所が変わる
開放式の冷却塔では、冷却水の戻り配管にバイパスで取り付けます。ご存じのとおり、密閉式では冷却水は管の中を回り、外側に散水して冷やすので、スケールが付くのは散水の側です。
そのため密閉式では、循環水の本体ではなく、個々の散水ポンプの系統に取り付けます。散水ポンプが何台あるかで、要る台数と工事の範囲が変わります。図面で散水の系統を確かめてから、型式と台数を決めます。
井戸水など水道料金が安い施設では、減る費目の内訳が変わる
冷却塔で emiiR® を導入して下がる費用は、薬剤費と、捨てる水の上下水道費の2つが中心です。上下水道の料金がかかる前提で、捨てる水を減らした分が費用として減ります。
井戸水や工業用水で水の単価が安い施設では、捨てる水を減らしても下がる額が小さくなり、薬剤費と清掃の手間の側が主になります。どの費目がどれだけ下がるかは、施設の水の単価で変わります。
では、何が確かめられるのか(認証の型式・特許の登録番号・3か月のデモ)
導入前に確かめられる材料は3つあります。給水系統向けの型式が受けている日本水道協会の認証Z-372は、水圧に耐えることと水に有害な物質が溶け出さないことを確かめたものです。効果の認証ではない点も含めて、範囲を読めます。
特許第7578981号など3件の特許は、流量が変わっても働く仕組みを登録したもので、登録番号から中身を読めます。そして冷却塔では、3か月の無償デモで、自分の設備の薬剤・水量・付着の数字を取れます。
| 確かめたいこと | 材料 | どこで分かるか |
|---|---|---|
| 自分の水で働くか | 水質検査表のpH | 水道事業者の公表値・施設の検査 |
| 飲み水の配管に入れてよいか | 日本水道協会の認証Z-372 | 認証登録証(耐圧・浸出) |
| どういう仕組みか | 特許3件の登録番号 | 特許の公開データベース |
| 自分の設備でどれだけ下がるか | 3か月の無償デモ | 薬剤・水量・付着の記録 |
よくあるご質問
初期費用はかかりますか
買い切りでは、本体と工事の費用が導入時にかかります。お見積もりでは製品代と工事代を分けてお示しし、お見積もり以上の金額はいただきません。初期費用をいただかず、削減できた額の一部をお支払いいただく成果報酬型も選べます。
導入後に手入れは要りますか
装置そのものに交換部品はなく、薬剤の補充もありません。玉が動いているかは、のぞき穴から確かめられます。冷却塔の用途では、水質と運転条件を確かめる保守点検のサービスを別に用意しています。
効果が出なかったときはどうなりますか
元の流れに戻せます。バルブ付きのバイパスで取り付けるので、弁を切り替えるだけです。薬剤も段階的に下げるので、元の量に戻すこともできます。
温泉の配管には使えますか
強い酸性の温泉では効果が出ないため、温泉の配管は対象にしていません。
工場の生産設備の冷却塔にも使えますか
いまご案内しているのは、ビル空調用の冷却塔が中心です。生産設備につながる冷却塔は、水質と運転の条件を個別に確かめてからのご相談になります。
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