この記事の結論
大浴場のぬめり(バイオフィルム)は、浴槽の内壁や循環の配管、ろ過器、洗い場の排水にできる、微生物が作る薄い膜です。膜の内側には消毒の塩素が届きにくいため、レジオネラ対策ではこの膜を抑えることが基本になります。
自治体のマニュアルが示す換水・清掃・点検の回数はそのまま守ります。そのうえで水道の元栓に UFB DUAL® を1台取り付けると、補給水や洗い場のシャワーの水がウルトラファインバブルの水になり、膜が付きにくい状態をつくる側に働きます。
変わるのは回数ではなく、1回の清掃でこすって落とす時間や、ろ過器を開けたときの汚れ方です。
大浴場の清掃と点検の負担を見直したいホテル・旅館の方へ。微生物の膜(バイオフィルム)ができる場所と、落とす側・付きにくくする側の2つの対策をまとめます。
浴槽の水面より下と、配管の内側で起きていること
大浴場で手がかかるのは、目に見える汚れよりも、見えないところに育つ膜です。浴槽の内壁、循環の配管、ろ過器の中、洗い場の排水。どれも水に触れ続けている場所です。
膜は一晩ではできません。面に付いた有機物を足場にして、少しずつ厚くなります。厚くなるほど、こすって落とす作業に時間がかかります。
バイオフィルムは、消毒剤から微生物を守ります
この膜の中には、消毒剤が届きにくくなります。そのため浴槽水の塩素の数値を守っていても、膜の内側は同じ条件になりません。レジオネラ属菌が増えるのは、この膜が温床になっているところです。
つまり、消毒の管理と膜の管理は別の仕事です。数値を守ることと、膜を育てないことの両方が要ります。
レジオネラ対策の基本は、膜を抑えることです
自治体が入浴設備の衛生管理について公開しているマニュアルは、換水と清掃、消毒の頻度を示しています。順番としては、膜を落とし、そのうえで消毒の数値を保つという組み立てです。
UFB DUAL® は、この管理に重ねて使う設備で、膜が付きにくい状態をつくる側に働きます。消毒は、これまでどおり塩素と管理基準で行います。
落とす側の手は、これまでどおり続けます
自治体のマニュアルが示している頻度は、次のとおりです。自館の運用がこれに沿っているかは、清掃と点検の記録で確かめられます。
| 対象 | 示されている頻度 |
|---|---|
| 循環式浴槽の浴槽水 | 毎日完全に換水して清掃する。難しい場合でも1週間に1回以上、完全に換水して清掃・消毒する |
| シャワーの内部の水 | 少なくとも1週間に1回、内部の水が置き換わるように通水する |
| シャワーヘッドとホース | 6か月に1回以上の点検、1年に1回以上の清掃・消毒 |
出典:茨城県「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」、大阪府「社会福祉施設等の入浴設備におけるレジオネラ症発生防止対策マニュアル」(令和7年4月)
付きにくくする側の手が、もう1つあります
取り付けるのは水道の元栓です。そこを通った水は、ウルトラファインバブル水になって館内の配管を進みます。泡の直径は1マイクロメートル未満で、表面はマイナスに帯電しています。膜の足場になる有機物が面に付く力をゆるめ、水流で流れやすくします。いったん離れたものが、同じ面に戻るのも抑えられると考えられています。
レジオネラ対策の基本となるバイオフィルムの蓄積を抑える側に働く設備、という位置づけです。消毒の代わりにはなりません。塩素の管理と、示されている換水・清掃は続きます。
元栓に入れると、循環の系統とろ過器にどう届くか
届く範囲は、給水の系統で決まります。大浴場の補給水が元栓より下流で分かれていれば、湯を張るときの水と、減った分を足す水がウルトラファインバブル水になります。泡は浮き上がらず数か月から1年ただようので、貯めた湯の中にも残ります。
循環して回している湯そのものに、外から何かを入れる設備ではありません。ろ過器と循環の配管には、補給水を通じて届きます。洗い場のシャワーと上がり湯は、給水から直接なので対象になります。
清掃と点検の回数を、どこで見直すか
示されている頻度は変えません。見直せるのは、決められた回数の中で行う作業の中身で、こすって落とす時間や、ろ過器を開けたときの汚れ方です。
そのため、導入の前から1回の清掃にかかった時間と、ろ過器を開けたときの状態を記録しておきます。同じ人・同じ手順で比べると差が分かります。変化は手で触れる場所から先に表れ、配管の内側は数か月から1年ほどかかります。
- 1回の清掃にかかった時間(浴槽・洗い場・ろ過器)
- 洗い場の床と排水の金具の汚れ方を、同じ位置で撮る
- ろ過器を開けたときの状態を、同じ位置で撮る
- 浴槽水の検査の結果(これまでの記録をそのまま続ける)
費用と工事の条件
口径で価格が決まります。大浴場のある館では40Aか50Aが多く、税抜で 2,500,000円と 3,500,000円、どちらもオープン価格です。工事費は15万円程度で、メーターまわりの仕上げが石材やタイルの場合は復元の費用が別に必要です。可動部と消耗品がないので、導入後に毎年かかる費用はありません。
工事は3時間から半日、断水は1〜2時間です。切った配管をつなぐ接着剤が固まるまで水を通せないためです。自治体の条例は国の要領より厳しいことがあるので、館のある自治体の条例を先に確かめてください。条例に抵触する設備は、その地域ではご提案しません。
よくあるご質問
レジオネラ対策になりますか
対策の基本となるバイオフィルムの蓄積を抑える側に働きます。消毒そのものは、これまでどおり塩素と管理基準で行います。示されている換水・清掃・点検の頻度も変わりません。
換水の回数を減らせますか
減らせません。茨城県の循環式浴槽のマニュアルでは、毎日完全に換水して清掃し、難しい場合でも1週間に1回以上とされています。見直せるのは、決められた回数の中で行う作業の中身です。
塩素の管理は変わりますか
変わりません。浴槽水の塩素は、これまでどおり管理基準に沿って測り、保ちます。UFB DUAL® は、その管理に重ねて、膜が付きにくい状態をつくる設備です。
循環している湯そのものに作用しますか
循環水に直接手を入れる設備ではありません。届くのは、大浴場の補給水と、洗い場のシャワーや上がり湯のように給水から直接出る水です。補給水を通じて、循環の配管とろ過器にも入ります。
気泡発生装置にあたりませんか
給水の側に取り付ける設備で、国の要領が想定している、浴槽水からエアロゾル(微小な水粒)を発生させる設備とは仕組みが異なります。生成される泡は1マイクロメートル未満で、水面ではじけて水粒を飛ばすものではなく、連日使用している浴槽水を使う構造でもありません。ただし自治体の条例は国の要領より厳しいことがあるため、館のある自治体の条例を確かめ、抵触する地域ではご提案しません。
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