この記事の結論
装置に通しても水の分子の大きさは変わらず、「水のクラスターが小さくなる」という説明は、測って確かめられるものではありません。水の分子どうしのつながりは1兆分の1秒ほどの単位で絶えずつなぎ替わっていて、小さく整えたまま蛇口まで運ぶことはできないためです。
「水がよく浸透する」ことの中身は、水が物になじむ度合い(濡れ性)として研究で確かめられています。ウルトラファインバブルを含むお湯では、角層に水がなじみやすくなることが報告されています(早坂信哉ほか、日本健康開発雑誌 44巻、2023年)。
ウルトラファインバブルや活水器の説明で「水のクラスターが小さくなる」と読んで、本当かどうかを確かめたい方へ、その説明の出どころと、置き換える先を書きます。
クラスター説が言っていること
この説明の筋書きは2段になっています。水の分子はいくつかの集団を作って動いている。その集団が小さくなると、細かい隙間に入り込めるようになる。2段を続けて読むと、浸透するという結論にたどり着きます。
前半は誤りではありません。水の分子は、隣の分子と水素結合でつながりながら動いています。ただしそのつながりは、ピコ秒(1兆分の1秒)の単位でつなぎ替わり続けます。集団の形は、瞬きのあいだもとどまっていません。
後半が続かないのは、ここが理由です。つなぎ替わり続けるものを小さく整えて、そのまま蛇口まで運ぶ道筋がありません。分子1つの大きさも、水を装置に通したからといって変わりません。
この説明は、どこから出てきたのか
よく引かれるのは、核磁気共鳴(NMR)で測った酸素17の信号の幅です。この幅が狭いほどクラスターが小さい、という読み替えが広まりました。
幅が映しているのは、分子の動きやすさです。温度でも、溶けている物でも動きます。集団の直径を測った数字ではないので、ここから大きさを読み出すことはできません。
言葉づかいが科学のものに似ているため、読む側が確かめにくい形になっています。確かめる方法は1つで、その数字が何を測った結果なのかを聞くことです。
置き換える先は、接触角という測れる量
面に水を落とすと、水滴の縁と面のあいだに角度ができます。これが接触角です。角度が小さいほど水は面に広がり、大きいほど丸く残ります。水が物になじむ度合いを、1つの数字で表せます。
ウルトラファインバブルを含む水は、この接触角が小さい水です。また、肌の角層に水がなじみやすくなることが研究で報告されています(早坂信哉ほか、日本健康開発雑誌 44巻、2023年)。
接触角は測れます。測る道具があり、条件を書けて、別の人が同じ条件で測り直せます。クラスターの大きさとの違いはここにあり、比べられる量かどうかで分かれます。
浸透という言葉を捨てる必要はありません。その言葉の中身を、分子の大きさの話から、水と物が触れ合うところの話へ移すだけです。
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説明は、3つの段に分けて読めます
どの装置の説明でも、3つの段に分けて並べ直すと、どこまでが測った結果なのかが見えます。段をまたいだまま1文でつないであるとき、その1文がつまずきの場所です。
| 段 | この段で出せる材料 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| ① 測った量 | 泡の直径は中心が約150〜200ナノメートル。水圧の落ち方は減水率 約5% | 測った機関と条件を聞く |
| ② 境目で起きること | 汚れが面に付く力が弱まる。水が繊維や隙間の奥へ入りやすくなる | 接触角とゼータ電位のどちらの話かを分ける |
| ③ 暮らしで変わること | 同じ洗剤と同じ時間でも落ちる量が変わる。掃除の回数が減っていく | 自分の家の使い方に当てはめる |
言い方を、測れる量に戻す3つの言い換え
よく見かける3つの言い方を、答えが数字か測り方で返ってくる問いに置き換えてみます。
どれも、答えが返ってくれば材料になり、返ってこなければそこが検討の残りになります。当社が UFB DUAL® について書いている数字も、この形にそろえています。泡の個数のように測り方が業界でそろっていない数字は、並べても比べられないので出していません。
- 「浸透します」→ 接触角はいくつですか。どの面で測りましたか
- 「水が変わります」→ 泡の直径はいくつですか。どの装置で測りましたか
- 「水が活性化します」→ その言葉は、何を測った結果を指していますか
水の成分は変わっていません
装置がしているのは、水にもともと溶けている空気を、圧力の変化で細かくすることです。外から何かを加える仕組みは入っていません。
密閉された配管の中でのみウルトラファインバブルが生成されるので、外の空気も混ざりません。塩素もそのまま残ります。水から物を取り除く役割は、浄水器の側にあります。
ですから、水そのものが別の物に変わるという説明にはなりません。変わるのは、水と物が触れ合うところのふるまいです。
当社が扱う UFB DUAL® も、水の成分は変えず、水と物の触れ合い方を変える装置です。どこまでが言えることなのかを確かめたうえで検討したい方は、お問い合わせください。根拠と一緒にご説明します。
よくあるご質問
水の分子が小さくなるのですか
変わりません。水素結合のつなぎ替わりはピコ秒の単位で起きていて、集団の形はとどまっていません。装置を通しても、分子1つの大きさは同じです。
クラスターが小さいと書かれた装置は、効かないのですか
その説明からは判断できません。確かめる材料は、泡の直径とその測り方です。国際規格 ISO 20480-1 は水の中の泡を直径だけで分けていて、1マイクロメートル未満がウルトラファインバブルにあたります。
肌や体への働きはどうなりますか
ウルトラファインバブルを含むお湯では、肌の角層に水がなじみやすくなることが報告されています(早坂信哉ほか、日本健康開発雑誌 44巻、2023年)。
水質は変わりますか
変わりません。密閉された配管の中で、水に溶けている空気を細かくしているだけです。塩素も残ります。減水率は約5%で、水圧はほぼそのままです。
説明が確かめられる売り手は、どこが違いますか
測った量、境目で起きること、暮らしで変わることを、分けて話せるかどうかです。混ざったまま返ってくる項目が、そのまま検討の残りになります。
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