温浴施設の維持費は、清掃、薬剤、水道、電気の4つに分けると、どこが動くのかが見えます。配管の内側の状態に連動しているのは、このうち清掃と水道と電気です。
配管とろ過機のスケール・バイオフィルムの付着が緩やかになれば、逆洗の間隔とろ材の交換周期を見直す検討材料になります。判断は施設の台帳の数字で行えます。
設備の更新と日々の維持費を同じ表で見たい運営者さま向けに、費用の数え方と、配管の内側から効く範囲を整理しました。
維持費を4つに分けて数える
維持費は請求書の単位ではなく、原因の単位で分けると動かせるようになります。清掃、薬剤、水道、電気の4つです。
清掃は、委託費と自社スタッフの時間。薬剤は、塩素剤とろ過の薬品。水道は、補給水と逆洗に使う水。電気は、循環ポンプと加温にかかる分です。このうち配管とろ過機の状態に連動するのは、清掃と水道と電気です。
先に台帳を1枚にしてください。逆洗の日付、ろ材の交換日、清掃の実施日、そして月ごとの上下水道と電気の使用量。原因と費用が同じ行に並ぶと、判断が早くなります。
| 数える項目 | 数え方 | 自施設の数字 |
|---|---|---|
| 清掃 | 委託費+(スタッフの時間 × 時間あたり人件費) | |
| 薬剤 | 塩素剤・ろ過用薬品の年間購入額 | |
| 水道 | 補給水+逆洗の水量 ×(上水単価+下水単価) | |
| 電気 | 循環ポンプ・加温の使用量 × 単価 | |
| 年間の維持費 | 上の4つの合計 |
この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
配管とろ過機の内側で起きていること
熱をかける系統では、水に溶けていたカルシウムなどが析出してスケールになります。熱交換器と加温の配管に付くと熱が伝わりにくくなり、同じ温度を保つための電気とガスが増えます。
並行して、微生物とその分泌物が壁面に定着してバイオフィルムになります。ろ材の中と配管の継ぎ目に溜まると、ろ過の抵抗が上がり、逆洗の間隔が短くなります。スケールのざらつきがあると、その上に定着しやすくなります。
この2つが、清掃と水道と電気を同時に押し上げている源です。どちらも表面を洗うだけでは戻らず、洗った翌日から同じ速さで付き直します。
法令で決まっている管理は、動かさない
浴槽水の遊離残留塩素の管理、決められた頻度の水質検査、レジオネラ属菌に関する基準、そして記録。これらは自治体の条例と管理要領で定められていて、設備を入れても枠組みは変わりません。
維持費の見直しで動かせるのは、法令で決まっていない部分です。逆洗の間隔、ろ材の交換周期、浴槽の清掃の範囲と手順、循環ポンプの運転時間。ここを台帳の数字で詰めていきます。
消毒は塩素剤と専門の管理との併用が前提です。水の側の手立ては、その管理に重ねて使うものという位置づけになります。
水の側から手を入れると、どこが動くか
ウルトラファインバブルは直径1マイクロメートル未満の泡で、浮き上がらず水の中を長くただよいます。マイナスに帯電した泡が、プラスに帯電した疎水性の汚れに吸着し、付着力を弱めて水流で離れやすくします。壁面を覆うことで、離れた汚れが再び付くのを抑える働きも期待できます。
1段目は、循環配管とろ過機、浴槽の壁面に付くものが緩やかになることです。2段目は、逆洗の間隔とろ材の交換周期、清掃スタッフの作業範囲を見直しやすくなることです。
3段目が、施設の数字です。逆洗に使う水の量、加温にかかる電気、清掃に割いている人の時間。この3つが動けば、浮いた時間をフロントと接客に回せます。
取り付けるのは水道メーターの二次側です。ろ過機、循環ポンプ、加温の設備には手を入れません。減水率は約5%なので、循環の流量設計もそのまま使えます。
効果の測り方
測るのは、導入の前後で同じ4つです。逆洗までの日数、逆洗に使った水量、ろ材の状態、そして月ごとの上下水道と電気の使用量。いずれも台帳に並べておけば、そのまま比べられます。
見えるまでの時間は場所によって違います。浴槽の壁面と循環口のまわりは早く、配管の奥とろ材の中は通水量が積み上がってから動きます。判断は3か月から6か月の記録で行ってください。
逆洗の間隔を延ばすときは、1段ずつにしてください。延ばしたあとの水質の数値と、ろ過の抵抗を同じ台帳で確認しながら進めれば、根拠のある運用に変わります。
費用と、工事のあいだの断水
設備の金額は口径で決まり、口径は引き込みの給水管の太さで決まります。館の規模に応じて40Aの2,500,000円か、50Aの3,500,000円(税抜)が入り、工事費はどちらも150,000円程度が基準です。メーターまわりを石材やタイルで仕上げている場合は、復元の費用が別に必要になります。
水が止まるのは1〜2時間で、これは切ってつないだ接着剤が固まるまで通水できないためです。工事全体は3時間〜半日に収まるので、定休日か閉館後に組めます。受水槽を備えた施設では、槽の水がそのまま館内へ配られるので止まりません。
入れたあとにかかる費用はありません。可動部と消耗品がなく、電源も薬剤も使わないため、毎年の支出は増えません。保証は計10年で、メーカー保証2年と当社の延長保証8年を合わせたものです。
| 口径 | 当社販売価格(税抜) | メーカー希望小売価格 | 工事費(税抜・目安) |
|---|---|---|---|
| 25A | 600,000円 | 850,000円 | 50,000〜80,000円 |
| 40A | 2,500,000円 | オープン価格 | 150,000円程度 |
| 50A | 3,500,000円 | オープン価格 | 150,000円程度 |
出典:自社の価格表と工事費表(2026-09-26 時点)。税抜。
よくあるご質問
維持費はどれくらい下がりますか
施設の規模と配管の状態、水質で変わります。逆洗までの日数、逆洗の水量、ろ材の交換周期、上下水道と電気の使用量を台帳に並べ、3か月から6か月の記録で比べてください。
ろ過機やろ材を替える必要はありますか
ありません。取り付けるのは水道メーターの二次側で、ろ過機と循環ポンプはそのまま使います。減水率は約5%なので、循環の条件も保てます。
水質検査や記録は減らせますか
減らせません。自治体の条例で決まっている水質検査と記録は、これまでどおり必要です。見直せるのは、逆洗の間隔やろ材の交換周期のように、施設が決めている運用の部分です。
工事で営業を止める必要はありますか
水が止まるのは1〜2時間で、配管をつないだ接着剤が固まるまで通水できないためです。全体は3時間〜半日なので、定休日や閉館後に組めます。受水槽を備えた施設なら館内は止まりません。
お見積もりには何が要りますか
水道メーターまわりの写真、口径の数字が読める写真、給排水と循環の図面があれば概算をお出しできます。ろ過機の仕様が分かる資料があれば、あわせてお送りください。
この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。
ご相談とお見積もりは無料です。写真で判断できることも多く、必要な場合は現地を拝見します。


