この記事の結論
温浴施設の清掃委託の見積もりは、主に延べ作業時間(人数×時間×回数)に、機材と薬剤の費用を足して組まれています。延べ作業時間を左右するのは、清掃の回数、作業できる時間帯、ケレン(削って落とす作業)や高圧洗浄がどれだけ入るかです。
複数の清掃会社を比べるときは、金額より先に、場所ごとの作業項目・回数・時間帯を仕様書でそろえます。循環配管の洗浄は、別の単価になることが多い費目です。
温浴施設の清掃を外部に委託するとき、見積もりの中身をどう読み、何をそろえて比べればよいかを、委託する側の立場でまとめました。
見積もりの金額は何から組まれているか
大浴場の清掃を委託するとき、清掃会社が金額を出す元になるのは延べ作業時間です。何人が何時間入るかに、機材と薬剤の費用が加わります。面積は時間を見積もる材料のひとつで、面積がそのまま金額になるわけではありません。
そのため同じ面積でも、金額には大きな差が出ます。差を生むのは次の4つです。
- 回数(毎日か、週何回か、月何回か)
- 作業できる時間帯(閉館後か、営業中か、深夜か)
- 作業項目(拭くだけか、削る作業まで入るか)
- 薬剤と機材(施設が用意するか、委託先が持ち込むか)
時間帯で単価が変わる
深夜の作業は、人を集めるところから費用が変わります。営業中の作業は、お客様を避けながら進めるので、同じ範囲でも時間が伸びます。金額だけを見比べて安いほうを選ぶと、時間帯の条件が違っていることがあります。
日常清掃と定期清掃を分けて頼む
日常清掃と定期清掃を分けずに一括で頼むと、見積もりの中身が読めなくなります。日常清掃は毎日の状態を保つ作業、定期清掃は積み重なった汚れを落とす作業で、目的が違えば単価の考え方も違います。
日常の作業を厚くすると、定期の作業は軽くなります。日常を薄くすると、定期のときに削る作業が増えて単価が上がります。どちらが安く済むかは館内の状態で変わるので、清掃の記録を見て決めます。
分ける目安は、削る道具が要るかどうかです。拭く、流す、こする、水を切るまでを日常に、スクレーパーや高圧の水を使う作業を定期に寄せます。
仕様書に書いておくこと
仕様書に書かれていない作業は、見積もりにも入っていないのが普通です。あとから追加の費用にならないよう、次の6項目を場所ごとに書き出します。
- 対象の場所を、面ごとに書く(洗い場の床、浴槽の縁、桶と椅子、サウナ室の中、脱衣室、トイレ)
- 回数と時間帯を、場所ごとに分けて書く
- 使う薬剤の種類と、使ってはいけない面(石材、大理石、メッキの金具)
- 仕上がりの基準(色が残っていないこと、水が切れていること)
- 報告の書式と、提出のしかた
- 作業中に見つけた不具合を、誰に、いつまでに伝えるか
仕上がりの基準は、目で見て判定できる言葉にする
「きれいにすること」では、できたかどうかを判定できません。「洗い場の目地に色が残っていないこと」「閉館時に床の水が切れていること」のように、その場で目で見て決まる言葉にしておくと、手直しのやり取りが短くなります。
くわしいご案内温浴施設のコスト削減|清掃・逆洗・ろ材の費用をまとめて下げる
単価が上がる作業
同じ館内でも、単価がはっきり上がる作業があります。落とすのに時間がかかる作業と、機材の搬入や養生が要る作業です。
ケレンは削る作業なので、層の厚さによって時間が読みにくくなります。高圧洗浄は機材と養生が要ります。循環配管の洗浄は、作業の範囲が設備の中に入るため、清掃とは別の単価になります。
循環配管の洗浄には、清掃会社が公表している価格があります。事業所向けに公表されている例では、1循環系統2tまで176,000円(税抜160,000円)で、洗浄後の水質検査が含まれ、2t増えるごとに55,000円(税抜50,000円)が加わります。自館の見積もりと比べるときの目安になります。
| 作業 | 時間を左右するもの | 見積もりで確かめること |
|---|---|---|
| 日常の拭き上げと水切り | 面の数と、回数 | 場所ごとの回数と時間帯 |
| 目地と縁のこすり洗い | 汚れが戻る速さ | 週何回か。日常に入るか定期か |
| ケレン | 層の厚さ | 1回あたりの上限時間と、超えたときの扱い |
| 高圧洗浄 | 養生と機材の搬入 | 養生の範囲。目地とコーキングの扱い |
| 循環配管の洗浄 | 系統の数と、水量 | 系統ごとの単価。薬剤の種類と、排水の処理 |
出典:株式会社ダスキン「循環浴槽配管クリーニング」(事業所用)の公表価格(2026-09-28 確認)。
自社でやる作業と、委託する作業の分け方
分ける目安の1つは、汚れが戻る速さです。毎日戻る面は、営業のなかでスタッフが手を入れるほうが早く済みます。数か月に一度の作業は、機材と段取りを持つ会社に任せたほうが安く済みます。
もう1つの目安は、記録が要るかどうかです。水質の管理と結びつく作業は、記録の様式まで含めて委託すると、保健所の検査や立ち入りのときに説明の材料として使えます。
自社で担う作業を増やすときは、その時間を誰の勤務から出すのかを先に決めます。決めないまま増やすと、日常の拭き上げが先に抜けていきます。
見積もりを比べるときにそろえる条件
複数社の見積もりは、条件をそろえてから比べます。そろえるのは次の6つです。
- 延べ作業時間(人数×時間×回数)
- 作業する時間帯
- 作業項目の一覧(入っているか、入っていないかを場所ごとに)
- 薬剤と機材を、どちらが用意するか
- 報告の書式と提出の頻度
- 追加作業が出たときの単価の決め方
汚れの付き方から委託費を見直す
ここまでは頼み方の話です。委託費を左右するもう1つの要素は、館内の汚れの付き方そのものです。汚れが戻るのが遅くなれば、必要な回数も、削る作業の量も変わります。
UFB DUAL® は、元栓直下(水道メーターの二次側)に取り付ける元栓型のノズルです。特許を取ったデュアル構造で水の流れを分けて合わせ、圧力の変化で水に溶けている空気を直径1マイクロメートル未満の泡に変えます。泡は目に見えず、水の中に散らばったまま館内に届きます。
泡の表面はマイナスに帯電しています。汚れと面のあいだに泡が入り込み、付着する力を弱めて水流で剥がれやすくし、面を覆って再び付くのを抑えます。洗い場と浴槽まわりのぬめりが付きにくくなれば、日常清掃の作業時間と範囲を見直す材料になります。
導入後も清掃は続きます。仕様書を書き替えるのは、清掃の記録で変化を確かめてからにします。元栓型1台で館内の系統がまとめて変わるので、場所ごとに機器を置く必要はありません。減水率は約5%で、シャワーとカランの水の出方はほぼ変わりません。
当社は UFB DUAL® の正規一次販売店として、お見積もりから工事の手配、10年の保証の窓口までを1社でお受けします。委託費の見直しを考えている施設は、給水管の口径と浴槽の数をご相談内容にお書きください。
よくあるご質問
温浴施設の清掃の相場はいくらですか
延べ作業時間で金額が決まるため、面積あたりの相場より、同じ条件で複数社に見積もりを取るほうが比べやすくなります。回数、時間帯、作業項目の3つをそろえた条件を仕様書にまとめ、その条件で出してもらいます。
循環配管の洗浄は、清掃の見積もりに入りますか
別の単価になるのが普通です。作業の範囲が設備の中に入り、系統の数と水量で時間が決まります。公表されている価格の例では、1循環系統2tまでで176,000円(税抜160,000円)です。
仕様書は、どこまで細かく書けばよいですか
対象の面、回数、時間帯、使ってはいけない薬剤、仕上がりの基準までは書いておきます。この5つがそろうと、複数社の見積もりを同じ条件で比べられます。
委託先を変えると、金額は下がりますか
条件が同じなら、大きくは変わらないことが多いです。金額が変わるのは、日常と定期の分け方、作業の時間帯、削る作業の量といった条件を見直したときです。
UFB DUAL® を付けると、委託費はいくら下がりますか
ケレンなど削る作業と、日常清掃の回数の分が下がります。下がった金額は、前後の記録で確かめられます。変わるのは、汚れが戻る速さと削る作業の量です。導入前の作業時間を記録しておき、導入後の記録と並べて確かめます。
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